↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/127

第113話 リゼットの進路

その夜。

屋敷の庭で、レオンはリゼットを見つけた。


昼間の面談が終わってから、彼女はほとんど話していない。


「ここにいたのか」


「少し静かな場所にいたかっただけよ」


レオンは隣の石柵へ寄りかかる。


「リゼットも面談した?」


「私は必要ないわ」


「どういう意味?」


リゼットは庭の先を見る。


「私の進路は、昔から候補が決まっているもの」


公爵家を継ぐ立場。

国との関係。

強い火属性。


本人が学院へ入るより前から、期待される役割があった。


「決まってるのと、決めるのは違う」


レオンが言う。


リゼットがこちらを見る。


「簡単に言うのね」


「簡単じゃないから言ってる」


少しの沈黙。


「私は、家を嫌っているわけではないの」


「分かってる」


「父も、私を道具にしたいわけじゃない」


「それも」


「だから余計に難しいのよ」


家族が悪なら、拒絶すればいい。

国家が明確な敵なら、戦えばいい。


だが、守ってくれた家も、領地の住民も、リゼットへ役割を求めている。


「選ばないと、誰かに選ばれる」


レオンは言った。


それは自分にも当てはまる。

無属性。

反復作業。

対象B。


自分の知らないところで、何度も呼び方を与えられてきた。


リゼットは小さく息を吐いた。


「あなたに言われると説得力があるのが腹立たしいわね」


「褒めてる?」


「いいえ」


それでも、少しだけ表情が戻った。


屋敷へ戻ろうとした時、リゼットが立ち止まる。


「明日の施設見学。よく見ておいて」


「何を?」


「国が何を守ろうとしているか」


それだけ言って、先に歩いていった。

良ければブックマークしていただけると泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。