第109話 切り取られたページ
交流実習後半。
今度は王立魔法学院側が、グランツ魔法学院を訪れた。
建物の造りから違っていた。
王立では順位ごとに教室が分かれるが、グランツでは実技分野ごとに授業を選ぶ割合が多い。
「同じ順位でも、受ける授業が違うのか」
ガルドが掲示板を見る。
「得意分野を伸ばす方針だから」
エステルが説明する。
午後、レオンたちはグランツの旧資料室へ入った。
目的は大規模魔力災害の記録確認。
約170年前。
戦争が原因。
現在のグランツ教本ではそう説明されている。
古い教本を順番に遡る。
すると、約100年前の教本で異変が見つかった。
「ここ」
ノアが本を開いた。
ページ番号が飛んでいる。
126。
127。
次が132。
間の4ページが切り取られていた。
「破れたんじゃない」
ユリアが綴じ目を見る。
「根元から刃物で切られているわ」
隣の年代の教本も確認する。
同じ範囲がない。
さらに古い本では、ページ自体は残っていた。
しかし文字の一部が薬品か水で滲み、読めなくなっている。
読めるのは見出しだけだった。
――災害後の共同管理協定。
「共同?」
ミナが尋ねる。
エステルも初めて見るらしく、黙っている。
本文は読めない。
関係した組織名も分からない。
レオンは本の裏表紙を見る。
小さな管理札が残っていた。
番号の区切り方。
桁数。
文字の並び。
王立魔法学院の古い資料にあったものと似ている。
そして、第0研究室で見た備品札にも。
「これ、王立にもあった」
レオンが言う。
トーマが顔を上げる。
「同じ番号?」
「番号そのものは違う。形式が似てる」
エステルは管理札を写し取った。
「グランツ独自の管理規格だと思っていたわ」
「王立でも見た」
リゼットが言う。
2つの学院は、違う歴史を教えている。
それなのに。
消されたページと、その周辺に残る管理方法だけは似ていた。
明日(8/30)明後日(8/31)と謎に大量更新します~




