↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/130

第104話 勝利条件は4つ

交流実習の実技が始まった。


訓練場には小さな集落を模した建物が並び、中央に物資箱、外周には負傷者役の人形が配置されている。

一定時間ごとに魔物役の訓練装置も動く。


勝利条件は4つ。


住民役の救助。

物資の確保。

集落の防衛。

終了時点で保持している拠点数。


相手学院の生徒を倒しても、それ自体に得点はない。


王立側とグランツ側が、それぞれ複数班へ分かれた。


トーマは対戦側に回った。

開始前、レオンへ声をかける。


「ゼロスレッド、見えなくても対策できると思う」


「やってみろ」


「言ったな」


実技開始。


レオンたちは最初に負傷者役の回収へ向かった。

ガルドが前を守り、セイルが位置を確認する。


レオンが左手からゼロスレッドを伸ばし、遠くの物資箱へ絡めた。


その瞬間、トーマの風が地面の砂を巻き上げた。


視界を奪うためではない。


レオンの糸に触れた砂が、不自然に弾かれる。


「そこか!」


トーマが糸の固定先へ風刃を飛ばした。

ゼロスレッドが切れる。


「見えてないはずだろ!」


ガルドが叫ぶ。


「見えないなら、動いたものを見ればいい!」


次にレオンが建物へ糸を伸ばす。

今度は固定する前に、トーマ側の生徒が建物の陰へ移動した。


左手の向き。

視線。

物が不自然に動く瞬間。


ゼロスレッドそのものを見なくても、レオンの行動から位置を読んでいる。


レオンは右手から別の糸を出した。

短く、足元の柵へ固定する。


トーマの視線が一瞬そちらへ動いた。


左手で物資箱。

右手で囮。


だが、左右を同時に意識した瞬間、左手の精度が落ちた。

糸が物資箱から外れる。


「まだ両方は苦手か!」


トーマの声が飛ぶ。


図星だった。


実技終了時。

王立側は防衛得点で上回ったが、救助と物資確保で負けた。


総合点はグランツ側の勝利。


担任が結果表を見せる。


「相手を知らなかったのは言い訳にならない。1度見せた技術は、次から対策されると思え」


レオンはトーマを見る。


ゼロスレッドが弱くなったわけではない。


使い方を読まれた。


次に変えるべきなのは、魔法ではなく選択だった。

良ければブックマークしていただけると泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。