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第103話 同じ災害、違う原因

翌日。

レオンたちは王立魔法学院の旧資料室で、災害に関する記録を調べていた。


現在の教本。

約60年前の教本。

さらに古い手書きの講義記録。


年代を遡るほど、説明が変わっていく。


「これだ」


トーマが古い本を開いた。


約80年前に使われていた教本には、大規模魔力災害の原因についてこう書かれていた。


原因不明。


「今の教本より情報が少ない」


ノアが言う。


「後から調査されて原因が分かったなら普通じゃない?」


「それなら、その調査報告があるはずだ」


レオンは参考文献の欄を見る。


3つの資料番号が並んでいた。

1つ目と2つ目は資料室に残っている。

3つ目だけ見つからない。


管理台帳には登録されていた。


「また中身だけない」


ミナが呟く。


エステルが台帳を確認する。


「古い資料なら紛失もあるわ。それだけで意図的とは言えない」


「そうだな」


レオンは否定しなかった。


午後、今度はグランツ側が持参した古い教本を確認した。

約90年前の版には、魔法戦闘が原因だと明記されている。


しかし、その根拠として挙げられた資料の1つが欠落していた。


「こっちも?」


ガルドが聞く。


エステルの表情が硬くなる。


「資料番号は残ってる」


トーマが王立側の台帳を引き寄せた。


欠けた資料の番号。

分類方法は違う。


だが、末尾に付けられた管理記号の形式がよく似ていた。


数字。

短い横線。

さらに2桁の番号。


レオンは見覚えがあった。

学院地下で見た、第0研究室の備品札。


完全に同じではない。

しかし、番号を分ける位置と並び方が近い。


「これ、どこで使う形式なんだ?」


トーマが尋ねる。


「分からない」


レオンは答えた。


今の段階で第0研究室と結びつける理由はない。

似ているだけだ。


それでも、紙へ写しておく。


リゼットがその様子を見る。


「また比較するつもりね」


「似てるなら、残す」


「ええ。それでいいと思うわ」


違う学院。

違う歴史。

違う原因。


それなのに、欠けている場所の周辺だけ、妙に似ていた。

良ければブックマークしていただけると泣いて喜びます。

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