また馬鹿にされるが…
その日、ジンは空を飛べるようになったので、背中に乗せてもらって、イライザの街に買い出しに向かった。
イライザから少し離れた場所で降ろしてもらうと、ジンを魔法ケージに入れてイライザの街に入った。
「げぇ、家畜係のエースじゃねーか…」
ふとその声の方を見ると、ロイドが取り巻きとともに立っていた。
「ロイド…」
「気安く呼ぶんじゃねぇ!
お前は家畜の世話でもしてろよな!
てゆーか、ケージ?
おい、コイツ、ついにペット飼い始めたぜ!」
ロイドは腹を抱えて大袈裟に笑う。
「やだー、やっぱり飼育だもんねぇー。」
ロイドと同じパーティに入ったであろう、マリアが言う。
「こっち見んな!
この負け犬!」
ロイドの仲間のゲインが吐き捨てるように言う。
「みんな、可哀想よ!
エース、ごめんねっ…!
みんな、悪気は無いのよ!」
サスティナが唯一俺を庇ってくれたが、いや、悪気はあるだろうよ…!
サスティナはどこかズレているのだ。
「そうだ、エース、私たちのパーティの荷物持ちのバイトしない?」
サスティナが言う。
「おいっ、サスティナ!
やめろよ!
こんな奴に荷物持ちなんて頼まなくても、俺たち天空の剣なら雇い放題さ!」
ロイドはそう言って唾を吐き捨てた。
「行こうよー。」
マリアが言い、ロイド達は去って行った。
はぁ…
本当に心の底から腐った奴だな…
そう思った。
俺は適当な野菜や肉、魚、金属を買うと、イライザから少し離れた場所まで移動した。
「ジン、窮屈な思いさせて悪かったな!」
『ダイジョウブー!』
ジンは首を下げて俺を背中に乗せると、大きく翼をはためかせた。
空には微風が吹いており、心地良く俺の髪をなびかせる。
今さっきまで大きかったイライザの街が、もうあんなに小さく映っている。
そんなこんなで家に帰り、ジンとガンツに餌を与えて、俺は相変わらず地下の図書館に籠った。
今日は、ジンとガンツについて少し調べてみようと思ったのだ。
モンスター大全をめくっていき、ドラゴン種のページまでたどり着いた。
【オリジンドラゴン】
竜族の始祖とされる伝説級モンスター。
肉や魔力を含む食材を好む。
全属性魔法と圧倒的な身体能力を持ち、高い知能で自ら考えて行動する。
主人に認めた相手には深く懐く一方、敵対者には容赦しない。
成長速度は非常に高く、成体は国を滅ぼす力を持つと言われている。
全てのドラゴンの祖先とされるが、その誕生の経緯は不明。
とあった。
なるほど、なるほど。
うーん、やっぱり最強か。
次に、ゴーレムの欄を調べた。
【オリハルコンゴーレム】
古代文明が生み出した超高耐久ゴーレム。
鉄や希少金属を取り込むことで自己修復を行う。
戦闘では圧倒的な防御力を活かして前線を支え、主人を守る盾として行動する。
感情表現は乏しいが忠誠心は極めて高い。
動きは鈍重だが並の攻撃では傷一つ付かない。
古代王国の守護兵器だったと伝えられている。
古代文明…?
古代王国の守護兵器…?
確か、古代王国は伝説としてはあるけど、存在したという確固たる証拠は無いんだったよな…?
でも、オリハルコンゴーレムのガンツが存在するって事は…!?
うーん…
俺はモンスター大全を閉じて、本棚に戻した。
俺の飼育スキルとは一体何なのか…?
そして、さらに不明なのは、組み合わせスキルだ…
私より良い未来を選んでくれる事を祈る、か…
そして、俺は地下の図書館を後にした。




