深淵の森キラー
そして、翌日、俺たち1人と2匹?は、深淵の森キラーへと向かった。
ポーション多め、前の経験も踏まえて肉と金属などの食料も持って行く。
森の中は静かだった。
ただ太陽の光はあまり届かず、深い森の闇だけが淡々と続いていた。
しかし、わずかな木漏れ日の光を頼りに進んでいく。
『ウキーッ!』
どうやら、最初のモンスターが現れたようだ。
「行くぞ、ガンツ、ジン!」
俺は言ってロングソードを引き抜いた。
相手はサンダーモンキー!
木の上から連携攻撃を仕掛けてくる!
これは…
魔法で仕留めるか…!?
雷撃が飛び、俺の頬を掠める。
その時、ガンツが俺の前に出た。
『アルジサマノテキハ、ワタシノテキ…
オリハルコンクラッシャー…!
データコウシン!』
ガンツがそう唱えると、オリハルコンの塊がサンダーモンキーに直撃する。
何匹かは木の上から落ちた。
俺は落ちたサンダーモンキーに剣を振った。
『ガンツ、ツヨイー!
アトハ、マカセテー!
ウィンドランス+!』
ジンは残りのサンダーモンキーを風の槍で串刺しにした。
ボトボトとサンダーモンキーが落ちてくる。
トドメを刺す俺。
こうして、第一回戦はみんなの活躍で勝利した。
しかし、深淵の森キラーの敵はかなり強い。
その後も、ナイトベアやソーンバインダーなどの森の魔獣を倒し、順調に進んで行った。
森の中心に近くなった頃、ガンツとジンが立ち止まり、俺の前に立った。
「ジン、ガンツ…?」
『ツヨイのクルー!』
『テキノケハイガシマス…!
データカクニンチュウ…』
いよいよだ…
サンダーライオン…
魔獣の中ではトップクラス…
果たして俺たちは勝てるのか…?
ドシン…!
ドシン…!
ジンの3倍はあるサンダーライオンが地響きを立てて森の陰から現れた。
『人間だと…?』
サンダーライオンは喋った。
え、喋るん!?
『去れ。』
「去る訳にはいかない。
俺たちはこの森の家に用がある。」
俺は言った。
自分でも不思議なほど、その声は落ち着いていた。
『…お前、あの人と同じ匂いがする…
…同じ運命を通らなければ良いがな…
通れ。』
サンダーライオンは言って、身体を斜めにずらした。
「え、なんで…?
あの人…?」
『いずれ、分かるだろう…』
そして、サンダーライオンは魔法で消えて行った。
戦わんのかーい!
少し突っ込んでみたが、ホッとしたのも事実だった。
「行こう、ジン、ガンツ。」
そして、数分後、俺たちはぽっかりと開いた空き地の中の巨大な家に着いた。
庭は確かに広く、森の中に芝生が広がっている。
ジンとガンツは芝生に向かって駆け出した。
「おい、お前らっ!」
俺は呆れるが、まぁ、いっか…
俺は2匹を庭で遊ばせると、家の中に入った。
鍵で開ける。
中は驚くほど綺麗だった。
え、誰か住んでるの…?
だって、この綺麗さ…
埃一つないのだ。
俺は警戒したが、家には誰も居なかった…
魔導電気も通っているらしく、キッチンの水道からは水も出た。
こりゃあいいや!
こうして、俺たちは初の庭付きマイホームを手に入れたのだった。




