リーズナブル不動産屋
引越しとなれば…
不動産屋?
でもなぁ…?
リーズナブル不動産屋では、飼育と組み合わせのスキル保証じゃ何も借りられなかったし…
一応、今日のドロップアイテムが8万ギル…
これで、頭金にでも出来れば…
俺は2匹に大人しく待っているように伝えて、不動産屋リーズナブルに向かった。
「あら、いらっしゃいませ、エースさん。
まだ2日しか経っていませんけど…
どうかされました?」
受付のリリアさんは言う。
教会の2階を貸してくれたのは、リリアさんだ。
「いやぁ、それが…
庭の広い一戸建てに引越したいなぁ…なぁんて!」
「に、に、庭の広い一戸建て!?
あなたね、そんなの、丸腰でドラゴンを倒すと言ってるようなものですよ!?」
「ですよね…」
俺は項垂れる。
「えーと…
すいません、言いすぎました…
お金はあるんですか?」
「10万ギル貯金ありますけど…
無理っすよね…?」
「うーん、10万かぁ…
しかも、庭が広くて一戸建て…」
かなり考え込んでいる。
「ちょっと物件のファイルを持ってくるわ。
家は古くても良いのよね?」
「えぇ、それはもう!」
俺は答える。
ドスン!
ファイルの数々が俺の前に置かれた。
埃を被っているのもあるし、比較的新しいものもある。
「さぁ、見て行きましょう!」
ファイルをめくっていく。
「うーん、10万じゃ無いなぁ…」
「そうよねぇ…」
リリアさんも探してくれているが、見当たらなそうだ。
その時、俺はふとあるページに目を留めた。
破れかかっているのを、テープで留めてある。
そして、驚きの金額!
なんと、0ギル!
「り、リリアさん!
この物件は!?」
「え、どれ?
…あぁ、それねぇ…」
「0ギルって本当ですか!?」
「まぁ、落ち着いて。
かなりの訳あり物件なのよ。」
「訳あり…?」
「そう、今から8年くらい前だったかしら?
名前は忘れたけど、危険な場所が大好きなハンターがいてね。
ダンジョンの中に家を建てたいって言うのよ。
無理だって言ったんだけど、金はあるって言うし…
それで、なんとか建てたんだけど、そのダンジョン、それからサンダーライオンが棲みつくようになったの。
そうこうしている内に、そのハンターも見なくなって…
で、今となっては、幻の家って訳。
まず、その家に辿り着くにはサンダーライオンを倒さなきゃならないし、他にもモンスターは居るわ。」
「…どこのダンジョンですか?」
「え…?
深淵の森キラーよ。
あなた、まさか…」
「そこ、契約します!」
俺は迷いなく言った。
「サンダーライオンが居るのよ!
魔獣の中では最強種よ!?」
「行ってみます!」
かなり引き止められたが、俺の意思が変わらないので、リリアさんは最後に地図とその家の鍵をくれた。
「ありがとうございます!」
「生きて帰ってくるのよ?」
「はい!」
俺は深々と頭を下げ、リーズナブル不動産屋を後にした。
帰りに肉と金属を買って行く。
帰り着くと、二匹が俺に擦り寄った。
「お待たせ!
明日はパワーが要るから、たっぷり食べろよ!」
そして、ガンツには金属を、ジンには肉を与えた。
俺も適当に作って食べる。
そうして、挑戦の日に向けて夜は更けていった。




