表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

⑴ 明里さんと社員旅行

 さて、明日からの(木)(金)は、毎年恒例の社員旅行が予定されている。


 第1研から第3研、合同での社員旅行。

 私は東北研究所に赴任していた為、この社員旅行は6年ぶりになる。


 社員旅行と言えば、碧と最初に会った事を思い出す。

 二人で抜け出して、ホテルのスイートで飲んだ。


 そして今回は、明里と一緒。

 ……めちゃくちゃ不安だ。


 その日の退社後、マンション近くのスーパーで待ち合わせをした。

 明日の旅行で必要な物を買う為に、付き合って欲しいと明里にせがまれた。


 必要な物と言っても何もない。

 ホテルへ行って宴会に参加して、その後温泉に入って次の日帰る。

 ただそれだけだ。


 本当に何も無いと言ったのだが、明里は「おじさんと一緒に旅行準備の買い物をしたい」との事。

 明里は明日の社員旅行、楽しみの様だ。


 衣類コーナーをまわっていると、ふと衣類用の防虫剤が目に入った。

 今度は私から明里に、お守りとしてナフタリンを渡しておこうか……。


 特に何か買う訳でもなく、ただ、私とこんな買い物を見て回りたかった様だ。

 結局夕食の食材だけを買って、自宅マンションへ向かった。


 明里が夕食の準備をしているあいだ、私はゆっくりと湯舟につかっていた。

 明日は、同じホテルに泊まりながら、別々の夜を過ごす。

 ……事故が起こる様な事……ないよな~


 ・・・・・・


 次の日、ゆっくりとした時間で明里と家を出た。

 宴会は17時から。

 それまでに着けば良い。


 若い連中は早くから行って、リゾート気分を味わう計画を立てている様だ。

 明里も誘われた様だが、お受けしなかったと言っている。


 明里の会社でのこれから……このままで良いのだろうか……。

 まあ、群れない社員も珍しくない。

 明里の判断に任せよう。


 駅に着いて明里と別れた。

 別々の車両に乗る為である。


 社員旅行のホテルへ着いて浴衣に着替え、宴会場へ向かった。

 宴会は、上座に部長以上の重役が座り、そこから役職の若い順に席が決められている。


 新人の明里は、重役の目の前の上座席。

 私は一番後ろの下座席となっていた。


 時間になった。

 社長から一言頂き、取締役から乾杯の音頭。

 宴会が始まった。


 最初、所長にビール瓶を持って挨拶しに行った。

 ビール瓶は形だけである。

 皆が注ぎに来る。


「私はそんなに飲めないから」

 と言って、逆に私が注いでもらった。

 二言三言、お話しを頂き、深く頭を下げて席を離れた。


 次に、部長の席へ挨拶に向かった。

 部長とは、水瀬碧である。


 丁度斜め後ろが明里の席だった。

 他人行儀な会話を交わし、深く頭を下げて席を離れた。


 私が自分の席に戻ると、元ストロベリーのメンバーが集まって来た。

 一番後ろの席である。


 無礼講で、わいわいガヤガヤ。

 上座に座らされて席を外せない碧……私も混ぜてよと、こちらを睨んでいる。


 明里を目で探すと、明里もビール瓶を持って、先輩達に挨拶まわりをしていた。


 宴会も、お開きの時間となった。

 明里の席を見ると、若い男性社員に囲まれている。

 ……ちょっと心配。


 温泉につかってゆっくりした。

 前回の社員旅行では、東京に置いてきた明里を思い出していた。

 そして、今回は明里も一緒に来ている。

 ……だんだん心配になってきた。


 温泉を出て、温まった体で渡り廊下を歩いている。

 至る所で、男性社員が女性社員を誘っている。

 ……けしからん。


 そういえば、以前の社員旅行で、新人の綾乃が若い社員に囲まれて拉致、いや、誘いを受けていた。

 新人の明里も、先輩達に囲まれて誘いを受ければ、上手に断れるだろうか。

 おじさんの会社に、悪い人はいない。等と思っていそうだ。


 心配になって、明里のスマホに電話した。

「……現在、電波の届かない所にいるか、電源が切られています……」

 私の心配が一気に高まった。


 何が起きている。

 私は速足で、このホテルの中を探しまわった。


 すると、私のスマホに、碧からメールが届いた。

 『〇〇ホテルのスイートルームに来ています。主幹も来られませんか』


 ん~……魅力的なお誘いだが、今はそれどころではない。

 明里が食べられる前に、早く見つけ出さないと。


 『ごめんなさい』のメールを碧に返信しようとした時、碧から新たにメールが届いた。

 『明里さんも一緒です』


 ……なにぃ?


次回:内緒話


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ