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異世界で魔王を倒したら、金髪碧眼の美少女になって日本に帰ってきた件  作者: もも


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夜明けの浜辺と、色とりどりのシーグラス

八月の中旬。


夜明けの塩谷海岸は、昼間の突き刺さるような熱気が嘘のように、ひんやりとした涼しい海風に包まれていた。


波打ち際が「ザザァ……、ザザァ……」と、穏やかで一定のリズムを刻んでいる。


空はまだ薄暗い群青色から徐々に白み始め、遠くの山の稜線が淡い紫やピンクのグラデーションに染まりつつあった。


小樽の中心部から少し離れたこの海岸は、朝のこの時間帯になると、カモメの鳴き声と波の音だけが響く、静かな世界になる。


「……ふぁぁ」


タープテントの下、大暮ヨウは小さく欠伸をして、カセットコンロの火を止めた。


フライパンの上では、厚切りのベーコンがカリカリに焼け、目玉焼きがちょうどいい半熟具合に仕上がっている。


傍らでは、パーコレーターで淹れたコーヒーの香ばしい匂いが、潮風に混じってテントの中に漂っていた。


挿絵(By みてみん)



「ヨウ、パンも焼けたよ」


隣でバーベキューグリルを使って食パンをこんがりとトーストしていた葉室珠子が、トングで器用にパンをお皿に並べながら声をかけてきた。


十九歳の彼女はすっかり目も覚めているらしく、昨日のネイビーのタンキニの上に薄手のラッシュガードを羽織り、長い黒髪を後ろでスッキリとまとめている。


四十九歳のおっさんだった魂が、この身体に定着して数週間。


ヨウは、おっさんらしいガサツな手つきでベーコンと目玉焼きを四等分にお皿に取り分けながら、フッと息を吐いた。


「おう、サンキュ。……それにしても、いい匂いだな。キャンプの朝飯って、なんでこんなに美味そうに見えるんだろうな」


「外の空気が最高のスパイスだからじゃない? はい、コーヒーも淹れ終わったよ」


「助かるわ、珠子。お前、ほんと手際いいな。……それに引き換え、あいつらは」


ヨウがジト目で視線を向けた先には、テントの奥に並べられたコット(簡易ベッド)があった。


そこには、妻の祭(マツリ)と元魔王アイリーンが、薄手のタオルケットを蹴飛ばし、お互いの身体に手足を絡ませるようにして、がっちりと抱き合って爆睡している。


「……すぅ……陽、お肉、もう食べられないよぉ……」


「……ンンッ……マツリサマ、私ノ……私ノ、唐揚ゲ……」


寝言まで見事に食い気でシンクロしている二人の絶世の美女。


「こいつら、本当に仲良いよな。っていうか、無防備すぎるだろ」


ヨウは、呆れながらも二人の寝顔に近づき、祭の肩を揺すった。


「おい、祭。朝だぞ。起きろ。朝飯できてるぞ」


「んぅ〜……あと五分……」


「アイリーン、お前も起きろ。魔王がいつまで寝てんだ」


「ムニャ……世界征服ハ、明日カラ……」


ヨウが結構強めに二人の身体を揺すってみたが、祭は「むにゃむにゃ」と寝返りを打ってアイリーンの豊かな胸に顔を埋め、アイリーンは祭の身体を抱き枕のようにギュッと抱きしめ直すだけだった。


昨日、海ではしゃぎ回り、夜は花火と宴会で体力を使い果たしたのだ。そう簡単には起きそうにない。


「ダメだこりゃ。完全に夢の中だな」


「ふふっ。寝かせておいてあげようよ。昨日、あんなに楽しそうに遊んでたんだから」


「そうだな。……よし、珠子。あいつらが起きるまで、ちょっと二人で散歩でもしてくるか。腹ごなしならぬ、腹すかせだ」


「うん。行く」


珠子は、少しだけ嬉しそうに目を細め、コクリと頷いた。



***



二人はテントを出て、靴を脱ぎ、裸足でひんやりとした砂浜を歩き始めた。


細かい砂が足の指の間をすり抜ける感触が、心地よい。


朝の清々しい空気を胸いっぱいに吸い込みながら、ヨウは遠くの海を眺めた。


太陽は海側ではなく、背後の山側から昇り始めている。空はすっかり明るくなり、群青色だった海が、太陽の光を受けて鮮やかなエメラルドグリーンへと色を変えつつあった。


「……昨日は、昼寝で寝過ぎて、夕日見れなかったな〜」


ヨウが、黄金の髪を海風に揺らしながら、ポツリと呟いた。


「塩谷の海ってさ、水平線に夕陽が沈んでいくのがすっごく綺麗なんだよな。あれ、お前たちにも見せてやりたかったんだけどな。ここの夕陽、俺昔からすきなんだよな〜」


「そっか。……ヨウ、塩谷海岸には昔からよく来てたの?」


「おう。祭と付き合い始めた頃とかな、ドライブでよく来たんだよ。金なかったから、コンビニで缶コーヒー買って、海見ながらボーッとするだけだったけどな。……懐かしいぜ」


四十九歳のおっさんとしての記憶。


絶世の美少女の顔で、遠くを見つめて懐かしそうに語るヨウの横顔を、珠子は隣を歩きながら静かに見つめていた。


「……また、来ようね」


珠子が、波の音に消えそうなほどの小さな声で言った。


教師と生徒だった頃は、決して言えなかった言葉。


でも今は、「ヨウ」と呼び捨てにして、同年代の友達のようにタメ口で話すことを許されている。


「また、みんなで海に……来ようね。ヨウ」


「おう。そうだな。また来ようぜ、絶対にな」


ヨウがニカッと笑って振り返る。


その無防備で真っ直ぐな笑顔に、珠子の心臓がドクンと跳ねた。


一瞬だけ頬を赤く染め、照れくさそうに視線を泳がせた珠子だったが、すぐに小さく咳払いをして、パッと足元の砂浜へと目を落とした。


「……あ」


「ん? どうした、珠子。何か落ちてたか?」


ヨウが珠子の視線の先を追うと、波打ち際でキラリと光る小さな欠片があった。


「おっ、綺麗なシーグラスだな。すげぇ深い青色だ」


ヨウはしゃがみ込み、波に洗われて角が取れ、すりガラスのように丸みを帯びた青いガラス片を拾い上げた。


挿絵(By みてみん)



太陽の光に透かすと、まるで海の底を閉じ込めたような美しい色をしている。


「青いシーグラス……。おっ、これ、珠子の水着と同じ色だな。ちょっとこっち来てみろ」


ヨウは立ち上がり、珠子の前へと歩み寄った。


「え? あっ……」


ヨウが、珠子の鎖骨のあたり、ネックレスがつく位置に、その青いシーグラスをそっと当ててみる。


至近距離。ヨウの金髪から漂う体臭の香りと、大きな碧眼が、珠子を真っ直ぐに見つめている。


「おっ、やっぱり似合ってる! 珠子の白い肌に、深い青がすげぇ映えるな。綺麗だぞ!」


ヨウは、純粋な感嘆の声を上げた。


中身が四十九歳のおっさんだからこそ、一切の下心のない、ただの事実としての誉め言葉だった。


言われた珠子の顔は、みるみるうちに沸騰したように赤く染まっていった。


「あ……ありがと……」


「おう。どうだ? 海のお土産にちょうどいいだろ」


「……あの、そのシーグラス……もらっても、いいかな?」


珠子が、上目遣いで、恐る恐るヨウに尋ねる。


ヨウは、不思議そうに首を傾げながらも、ニカッと笑ってその青いシーグラスを珠子の手のひらに乗せた。


挿絵(By みてみん)



「もちろんだ! お前にやるよ」


「……ありがとう。大切にするね」


珠子は、その冷たいガラス片を、まるで世界で一番の宝物のように、両手でギュッと包み込んだ。


「よーし! それなら、祭とアイリーンの分も探してやるか!」


ヨウは急にスイッチが入ったように、砂浜をキョロキョロと見回し始めた。


宝探しを楽しむ子供のような無邪気さである。


「えーと、祭は昨日グリーンの水着だったから、緑色のシーグラスだな。……おっ、あったあった! これなんかちょうどいいサイズだ」


ヨウは、綺麗な緑色のシーグラスを拾い上げてポケットに入れた。


「次はアイリーンか。あいつは黒のビキニに、目が赤と青のオッドアイだから……」


ヨウは砂浜を歩きながら、ブツブツと文句を言い始める。


「黒に赤に青って、あいつの色、めんどくさいな! そんな都合のいい色のガラス片が落ちてるわけ……おっ、赤っぽい茶色と、水色があった。黒は見つからねぇから、これでいいか」


文句を言いながらも、真剣な顔で祭やアイリーンのために砂浜を探し回るヨウ。


珠子は、その背中を愛おしそうに見つめながら、自分も足元を探し始めた。


「……あ。ヨウ、見て」


珠子が拾い上げたのは、淡く光を透かす、美しい黄色のシーグラスだった。


「おっ、珍しい色だな。黄色か」


「うん。これ……ヨウの髪の色だね。すごく、綺麗だよ。……はい、これ」


珠子は、その黄色のシーグラスを、ヨウに向かってスッと差し出した。


ヨウの黄金の髪と同じ、明るくて、温かい色。


「俺に? ……あー、いや、なんかおっさんの魂としては、こんな可愛らしいもん貰うのは少し気恥ずかしいんだけどな……」


ヨウは、絶世の美少女の顔をほんのりと赤く染めて、ポリポリと頬を掻いた。


しかし、珠子の真っ直ぐな瞳に見つめられ、観念したようにその黄色のシーグラスを受け取った。


「おう! 珠子、ありがとうな! 大事にするぜ!」


「……うんっ!」


ヨウの照れくさそうな、でも嬉しそうな笑顔を見て、珠子の顔に、今日一番の、心からの喜びの笑顔が咲いた。



***



「よし、いい腹ごなしになったな。そろそろテントに戻るか。あいつらもさすがに起きてるだろ」


ポケットにシーグラスを詰め込んだヨウと珠子が、波打ち際を歩いてテントへと戻ってくる。


すると、タープテントの下では、すでに信じられない光景が繰り広げられていた。


「ンンーッ! コノ、カリカリノお肉、最高デス! マツリサマ、パン、オカワリ!」


「はいはい、アイリーン。目玉焼きも食べる? コーヒーも淹れ直すね〜」


先ほどまで爆睡していたはずの祭とアイリーンが、ヨウと珠子が作っておいた朝食のテーブルに陣取り、すでにバクバクと食べ進めていたのだ。


四人分作ってあったはずのベーコンと目玉焼きは、すでに残りわずかとなっている。


「……おい!」


ヨウが、テントの入り口で仁王立ちになって声を上げた。


「お前ら! 俺と珠子が汗水垂らして作った朝飯を、勝手に食ってんじゃねぇよ!」


「あっ、陽! 珠子ちゃん! おかえり!」


祭が、全く悪びれることなく、トーストをかじりながら手を振った。


「いやね、陽たちを待ってようと思ったんだけどさ、アイリーンがどうしても食べたいって言うから!」


「エッ!?」


アイリーンが、口の周りに卵の黄身をつけたまま、カッとオッドアイを見開いて祭を見た。


「チ、チガイマス! マツリサマガ、『お腹ペコペコだから、陽たち待てない! 先食べちゃおう!』ッテ、言イマシタ!」


瞬時に本妻を裏切り、事実を暴露する元魔王。


「ちょっとアイリーン! 裏切るの早すぎでしょ!」


「嘘ハ、イケマセン、マツリサマ!」


ギャーギャーと騒ぎ始める二人の姿に、ヨウと珠子は顔を見合わせて、盛大に苦笑いした。


「はぁ……。まぁ、冷める前に食ってくれたんならいいけどよ」


「ふふっ。いただきましょうか」


珠子が、空いているアウトドアチェアをヨウに勧める。


ヨウは、深い深いため息をついてから、ドカッと椅子に腰を下ろした。


「ハァ……はいはい、いただきます」


「イタダキマス!」


「いただきまーす!」



***



海風を感じながらの、賑やかな朝食。


トーストのサクサクとした音と、コーヒーの香りが混ざり合う。


「あー、食った食った。やっぱり外で食う飯は最高だな」


ヨウがコーヒーカップを置きながら言うと、祭も満足そうにお腹をさすった。


「本当だねぇ。今回の海、すっごく楽しかった! ……ねぇ陽、次はどこに行きたい?」


祭の問いかけに、テーブルを囲む四人の間に、未来へのワクワクとした空気が広がった。


「次カァ……! 私ハ、アレ食べたいデス! テレビデ見タ、回転スルお寿司!」


アイリーンが、目を輝かせてリクエストする。


「おっ、回転寿司か。アイリーンの胃袋でスシローとか行ったら、軽く百皿は超えそうだな……破産するわ」


「それに、私、こっち(地球)のオシャレ、モットしたいデス! マツリサマト、可愛いお洋服、買イニ行キタイ!」


「いいね、アイリーン! 札幌に行ったら、また珠子ちゃんに案内してもらおうよ!」


キャッキャと盛り上がる女性陣。


しかし、ヨウはコーヒーカップを両手で包み込みながら、少しだけ真面目な顔をして口を開いた。


「……遊びに行くのもいいけどな。そのためには、まずは俺がちゃんと稼げるようにならねぇとな」


ヨウの言葉に、三人の視線がヨウに集まる。


「昨日ネットで頼んだ高卒認定試験の参考書が、今日くらいにはアパートに届くはずだ。まずはそれを猛勉強して、今年中に高認に合格する」


ヨウの碧眼に、かつての高校教師としての、そして大黒柱としての強い意志が宿っていた。


「受かったら、次は通信制の大学に入り直すつもりだ。この身体(クレア)じゃ元の高校には戻れねぇけど、教員免許を取り直すか、別の資格を取るかして……とにかく、働きながら勉強して、真っ当な職に就く」


ヨウは、祭の顔を真っ直ぐに見つめた。


「そして、祭。……お前のバイトを減らす。将来的には、完全に無くす。俺がお前を、ちゃんと養うからな」


その言葉に、祭は少しだけ目を丸くした後、優しく、本当に愛おしそうに微笑んだ。


「……陽。ありがとう。でもね、私、働くの自体は嫌いじゃないのよ? イタリアンのお店の人たちもいい人ばかりだし。だから、完全に無くさなくてもいいから……ほどほどにね」


「おう。お前が無理しない程度にな。約束する」


夫婦の絆を確かめ合うような、温かい空気が流れる。


すると、アイリーンが少しだけ不安そうな顔をして、ヨウの袖を引っ張った。


「ヨウオネエサン……私ハ? 私ハ、日本語、イッパイ覚えて……そしたら、ココデ、働けマスか?」


魔界を統べていた元魔王が、現代日本でアルバイトを志願するという異常事態。


「ぶっ……アイリーンが接客とか、想像しただけで色々と事件が起きそうだな……」


「ダメデスか……?」


「いや、ダメじゃないけど……まぁ、お前の就職は、追々考えよう。まずは日本語マスターしてからだな」


「ハイ! ガンバリマス!」


アイリーンが元気よく返事をしたところで、ずっと静かに微笑んでいた珠子が、居住まいを正してヨウに向き直った。


「ヨウ。私からも、一つお願いしていいかな」


「ん? なんだ珠子」


「さっきの話じゃないけど……ヨウの勉強の合間で構わないから、二日ほど連続で空けられる日が決まったら、私に連絡をください」


珠子の目が、エージェントとしての真剣な色を帯びる。


「仕事、です。……今度は小樽近郊じゃなくて、少し遠出になるかもしれないから」


「おおっ、裏の仕事か。任せとけ、俺も実戦経験積みたいし、何より稼ぎたいからな。……よし、祭、アイリーン」


ヨウが声をかけると、祭とアイリーンも居住まいを正した。


「珠子ちゃん、お願いね!」


「タマコ、ヨロシクデス!」


「珠子、よろしく頼むわ」


三人が、揃って珠子に向かって返事をする。


その息の合った様子に、珠子は一瞬呆気にとられた後、堪えきれずに吹き出した。


「ふふっ……あははははっ! なにそれ、ヤクザの挨拶みたい!」


「おいおい、俺たち一応、珠子社長の下請け業者だからな!」


「アハハハハッ!」


青空の下、タープテントの中に四人の明るい笑い声が響き渡った。


「あ、そうだ」


ひとしきり笑った後、珠子がヨウの脇腹をツンと突いた。


「ヨウ、さっき拾ったシーグラス。祭さんたちに渡してあげて」


「おっ、そうだった」


ヨウは、ジーンズのポケットから、先ほど拾った緑色と、赤茶・水色のシーグラスを取り出した。


「ほら、祭。アイリーン。お前達への、海のお土産だ」


ヨウは、それぞれの手にシーグラスを乗せてやった。


「お前達のカラーだと思って、俺が砂浜で拾ってきたんだよ」


「わぁ……! 綺麗! 私の水着とお揃いのグリーンだね。嬉しい、ありがとう陽!」


祭が、緑色のシーグラスを太陽の光に透かして、嬉しそうに目を細める。


「ワタシノ、赤ト、青……私ノ目ト、同ジ色、デス!」


「おう。黒は見つからなかったけどな」


「宝物……。ヨウオネエサンカラノ、プレゼント……私、コレ、いっしょうのタカラモノにします!」


アイリーンは、二つのシーグラスを胸にギュッと抱きしめ、感動でオッドアイを潤ませていた。


その様子を見ていた珠子も、自分のポケットに入れた青いシーグラスをそっと握りしめながら、ヨウに向かって小さく頭を下げた。


「改めて、ありがとうございます。ヨウ。……シーグラスって、本当に綺麗ですね」


「おう。また探しに来ようぜ」


夏の朝の海風が、四人の間を心地よく吹き抜けていく。


様々な困難や、カオスな状況はあれど、今、ここにある絆は本物だった。


ヨウは立ち上がり、大きく伸びをしてから、パンッと手を叩いた。


「さて! 飯も食ったし、お土産も渡したし! 撤収して、家に帰ろうぜ!」


ヨウの号令に、三人の美しい女性たちが、満面の笑顔で拳を天に突き上げた。


「「「おー!!」」」



***



小一時間後。


綺麗に片付いた砂浜を後にし、四人はCX-60に乗り込んだ。


エンジンをかけ、エアコンの涼しい風が車内を満たす。


「じゃあ、出発するね」


珠子が、バックミラー越しにヨウに視線を送り、意味深に微笑んだ。


「次の仕事、期待してますよ。ヨウ」


「おう。いつでもかかってこい!」


ヨウは助手席で力強く頷き、前を見た。


海での騒がしい休日は終わりを告げ、彼らの新たな日常と、まだ見ぬ裏の仕事への日々が、再び幕を開けようとしていた。

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