虚ろな瞳
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
カエデは、自分の胸に手を当てながら言う。
「なぜ私は、ベッドにいるの?」
「えっと……」
これ、言ってもいいのかな?
スズは答えに躊躇していたが、カエデが先に言う。
「もしかして、あなたが私を運んでくれたの?」
スズは、うん、と控えめにうなずく。
「ありがとう。助かったわ、スズ。さ、行きましょう。集合時間は七時からだけど、練習しましょう」
「うん」
「あ。少し待ってて、スズ」
スズは、ん? と首をかしげる。
カエデは、コップに注いだ水で、チェストに置かれた薬飲む。
スズは、市販の薬なのだろうか、と思ったが、そのあとのカエデの様子からして、市販の薬ではないだろうと考え直した。カエデがその薬を服用したあと、彼女の様子がおかしかったからだ。彼女のその黒い瞳は、まるで何も見えていないような虚ろな瞳だった。
「大丈夫?」
彼女は、こくっと首肯する。
「ええ。平気よ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




