完ぺきなユニゾン2
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
「完ぺきなユニゾンって、具体的には何するんですか? サクラさん?」
サクラは不敵に笑うと、ダンスだよ、と楽しそうに答えた。
スズはそれにとても驚き、ええ⁉ と、声を上げてカエデとユキを見れば、彼女たちもさすがに呆気にとられていたみたいだった。しかし、彼女とは違い、二人は少ししてから首肯した。スズはそれに舌を巻く。
「ダンス、ですか?」
彼女がそう聞くと、サクラはまた笑って答えた。
「そうそう。当日までにダンスのリズム感だけ覚えておいてね。実を言うと、ほかに出されたアイデアの中では、これという方法がなかったんだよね……」
「いえ」
スズは首の後ろに手を当て、つぶやいた。そして、ちらりと横目で床を見る。二人で、ってことは、誰かとペアを組んでやるってやつかな? でも、ダンスは、やったことないし……。スズは、諦めたような安堵をするような表情をする。
ユキの隣にいるカエデが、手を挙げた。
「私がやるわ。ところで、あなたがウーゼのバックアップを取ってるのよね? それとも、私は、ほかのウーゼに乗れないとでも?」
「いえ、そういうわけではありませんが、室長が、単独では無理だとおっしゃっていたんです。それに……」
サクラは、カエデをちらりと見たが、彼女はそれを気にしてはいないようだ。
サクラは言葉を続ける。
「約二時間後に、2号機の修復は完了します。ですが、カエデさんは無理をしないでください。休養も大切なことなんです」
四人の中で流れるわずかな時間の沈黙のあと、スズが口を開いた。
「あの……」
久遠さんに無理をさせないようにしないと。今回はけがはなかったけど、最初の会ったときみたいに、エンジェルに突っ込んで行ったりしたら……嫌だ。
だが、カエデは、スズを横目で見ながらユキを見るが、すぐに彼女から目線を外す。
「ええ。わかったわ」
彼女は首肯し、そのあと、考え込むように、左手をあごに添える。
「……その間、私は、パイロットテストでもしようかしら?」
サクラは安堵をしたものの、気がかりそうにカエデに問いかける。
「体は平気そう?」
「先ほどの身体検査でも異常はなし。それに、シナプス汚染は、基準値を超えていなかったわ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




