完ぺきなユニゾン
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
スズ、ユキ、カエデを含めた三人は、サクラとともに、作戦会議室にいた。アオは、今回の作戦には不参加らしい。
「僕、調べたいことあるから、楽しんどいて」
彼は、ひらりと片手を振ってそう言っていた。
暗い会議室は、テーブルディスプレイだけが、煌々《こうこう》と、彼らを下から照らしている。
サクラから作戦を聞いた彼女たちは、驚いた。
スズが、驚いて尋ねる。
「え? それって……」
いつも冷静なカエデも耳を疑い、同じく聞き返す。立案された作戦が、彼女たちにとって突拍子もなかったからだ。
「それは本気なの?」
サクラはファイルを見ながら、もう一度、三人に内容を報告する。フォンッ、と機械音が鳴り、中央にあるテーブルディスプレイに、二人の少女のようなエンジェルが映る。
「あのエンジェルは、攻撃をしたときに分離をしても、お互いを補っています。なので——」
テーブルディスプレイが、また機械音を鳴らすと、画面が暗くなった。
「ウーゼ二機による完ぺきなユニゾン。今はこれしかありません」
スズは、不安と困惑が入り混じる表情でサクラに聞く。
「でも、ユニゾンって、何をするんですか?」
彼女の脳裏には、アイドルグループが、マイクを手に持ち、その美声をテレビの画面越しの視聴者に届けている情景が思い起こされる。
サクラは持っていたファイルをテーブルに置くと、タブレット端末を取り出し、計画決定案をテーブルディスプレイに同期させる。
サクラは、左手で持っているタブレット端末を、右手の人差し指で左から右へ滑らせながら彼らに見せた。
「エンジェルが一体に戻るとき、コアもひとつになります。なので、二名で完ぺきな動きをして、コアの同時二重攻撃を図ります」
ん? とスズは、呆気に取られた表情をした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




