会議
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
「じゃあ、僕も効かないってことかな?」
しかし、彼女は、それには触れずに話題を変えた。
「ところで、先の戦闘についてどう思うの?」
アオは眉根をひそめる。ホントは全部知ってるくせに……意地が悪いよ。アカネ
ハルトは、持っていたタブレット端末を、アカネに渡してから答える。
「2号機パイロットが攻撃を行った際、エンジェルが分離をしたので苦戦をしたと思われます。それによって、コアも甲と乙、そのときに分離となっています」
アカネはあごに手を軽く当て、考え込んだ。
「つまり、エンジェルは二体で一体、融合分離をするのね。コアも分離するということは、エンジェルが一体に戻るときにはコアもひとつになる、ということかしら?」
「先ほどの戦闘データから判断されました」
アカネはそれを見ながら、話を続ける。
「そう。サクラ、ウーゼは?」
「2号機は背部と両腕、表面装甲の損傷を修復中です。換装はフルピッチで行っていますが、三時間はかかります」
ハルトが続きを補う。
「5号機はいつでも起動させられるように、現在、地上迎撃のG型装備で冷却中です」
「それで、エンジェルはどこまで侵攻しているの?」
サクラが応えた。
「はい。現在、諏訪湖で自己修復中だと思われます」
地上の諏訪湖は、この長野県にある湖だ。現在は、『第二次大災害』により、色が白くなっているが、どこかの架空の湖によく似ているらしい。
ハルトが、サクラの説明を補う。
「ですが、七日後には自己修復が完了、再び、支部に侵攻すると考えられます」
しかし、彼は脳内で次の戦闘のシミュレーションをしていた。2号機単機だけでは、太刀打ちできないか……。いっそ、空輸するか? いや、狙い撃ちされれば元も子もないな。
アカネは、納得したようにつぶやく。
「諏訪湖ね……」
引き続き、ハルトが答える。
「ほかの場所も考えられますが、負傷をしているため、この場所だと」
しかし、彼は心中でため息をついた。ま、エンジェルの自己修復機能は早いことで有名だからな、現に、アオもユキも、そして、〝カオル〟もな。
サクラが、アカネに提案をうかがう。
「汐波司令。ウーゼでの攻撃方法は、交互に攻撃を行いますか?」
「いえ。指令室でバックアップをさせて」
ハルトはアカネの指示に瞬間、天候が荒れ始め、白波が立つ諏訪湖に手漕ぎボートの上で、鮮烈に稲妻を見せられた気がした。そうか。単騎だけだからか? たとえば、2号機と5号機が、同時にエンジェルのせん滅をするとかか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




