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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
78/261

『A2爆弾による攻撃報告』

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 アカネは、国連軍会議室に直通している固定電話の受話器を置き、次々に、部下の名前を呼び始める。

「山田室長、林主任も、今から私と一緒に来て」

 ハルトは、背筋を正しながら立ち上がる。

「はい。司令」

 パイロットたちと一緒に戻ったサクラも、承知しました、とアカネに向かって、立ち上がりざまに敬礼をする。そして、アカネは横目で、ハルトの隣を見る。そこには黄色いウインドブレーカーを着用している少年がいた。

「……一色パイロットも、興味があるのなら来て」

 ワーキングチェアであぐらを組んでいたアオは、微笑(ほほ)んで敬礼する。

「ぜひ」



 部下を引き連れたアカネは、作戦会議室の扉を開ける。

 暗い部屋だったが、彼女が部屋の電気をつけると、パッと明るくなる。一同は一瞬、目がくらんだ。同時に、ちょうど電源がついたテーブルディスプレイが稼働し、フォンッと、映像が切り替わったと同時に、きりかえのため、画面が暗くなる。

 アカネは、テーブルディスプレイから目を離すと、部下たちを見つめる。

「エンジェルは?」

「はい」

 ハルトは、『A2(エーツー)爆弾による攻撃報告』の分厚い資料を見ながら、アカネの質問に答える。

「約三十分前、A2爆弾で十五パーセントの攻撃に成功しました。しかし、完全に殲滅(せんめつ)させるには、やはり、ウーゼが必要です」

 アカネもほかの書類を見つめながら、部下たちとともに確認をする。もちろん、部下だけではなく、パイロットもいるのだが。そのパイロットである、一色アオが口を開いた。

「汐波司令。このA2なんとかで、エンジェルを十五パーセントだけ攻撃出来ただけなのに、ウーゼって必要ですか?」

「そうよ。足止めには成功。A2爆弾では効かなかったと言いたいのね。室長」

 アカネが艶のある茶色い瞳を室長に向けると、ハルトは、はい、と首肯(しゅこう)する。

「多数の抗議の公文に、国連上層部からも正式な文書が届いています。また、日代(ひしろ)大尉(たいい)から、司令宛てに文書が届いています。ご覧になりましたか?」

「ええ。いざとなれば、私たちのせいということね」

 アカネは目を細め、ため息をついた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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