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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
73/261

警告

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 5号機の巨躯きょくが地上に現れると同時に、鈍い音がコックピット後方から聞こえた。すぐにディスプレイから、男性オペレーターの報告が届く。

『5号機、地上に射出!』

 続けて、ウーゼ開発研究主任のはやしサクラが報告をする。

『最終リミッター、解除!』

 報告をし終えたあと、5号機の肩や腰を固定していた装置が、バシュッと、ミサイル発射のような短い音をたて、解除された。続けて表示されたディスプレイには、〈レベル・レッド〉と表記してある。

 スズは不思議そうに、目の前に現れたディスプレイを見つめた。

「〈レベル・レッド〉?」

「エンジェルが襲来したときに現れる、ディスプレイ表示」

 スズはまるで納得したように、何度か首肯(しゅこう)をする。

「へえ、そうなんだ……?」



 〈レベル・レッド〉は、エンジェルがこの都市に襲来したときに現れるディスプレイ表示だ。

 また、〈レベル・グリーン〉は、エンジェルの警戒時や、相手側エンジェルの抵抗が無いときなどに使用されるディスプレイ表示である。



 途端、ビー、ビー、と二回、短い音を出し、コックピット前方に急に開かれたディスプレイが、何かを警告する。

 スズは、ディスプレイの文を読み始めた。

「久遠カエデが搭乗するウーゼ2号機は、真白ユキ——リリム——および、橘スズが搭乗するウーゼ5号機の半径十五メートル以内に、時速八十キロメートルで高速移動中——」

 だが、スズは、文章は読めるのだが、意味があまりわからずに不思議な表情をする。

「これ、何?」

 スズは、プログの内部に首を巡らす。私と真白さん以外、誰もいないはずなのに……。

 再び、薄赤いCPOが、こぽこぽと泡立った。

 ユキが、厚さの薄い小さな口でつぶやくと、スズは問いかける。

「え? 真白さん、何か言った?」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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