連絡不能
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
ユキは、ディスプレイのコマンドを目で追いかけ、右手の人差し指で、それを横に滑らす。そして、彼女は、ディスプレイに表示された説明を一度も噛むことなく、口の内でつぶやく。
「5号機内の酸素は、現在、七十五パーセントからゼロコンマ一上昇中。CPO循環器は、七十パーセントを維持」
彼女はディスプレイに呼びかけた。
「指令室」
頭の中には、緊急時のマニュアルを思い浮かべながら、続けて、すらすらと応答を求める。
「2号機パイロット・久遠カエデとの連絡を至急要求。2号機——」
代わりに、すぐ目の前のディスプレイから、〈2号機パイロット・久遠カエデと連絡不能〉という表示がされた。
彼女は、少し目を大きく見開く。
「え? 久遠さん?」
ユキは、スズ、と5号機パイロットを促すと、彼女はうなずく。
「う、うん」
そんなスズを横目に、ユキは真剣な顔になる。
二人は、すぐに5号機を起動させる。
『ウーゼ5号機、起動』
ヴヴンッと、鈍い起動音がケージ内に響くと、固定された5号機は激しく火花を散らしながら、射出をされていく。
スズは、突然のことで驚いたが、目をつぶってなんとか耐える。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




