インサートスーツ
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
スズ、ユキ、カエデの三人は、更衣室でインサートスーツに着替えていた。
二人と反対側のベンチに座るスズは、ふと、疑問に思ったことを口に出す。
「真白さんと久遠さんは、さっきの非常召集で支部に来たよね? でも、私が最初に会ったとき、久遠さんだけウーゼに乗ってたけど……」
スズが手首のエアーボタンを押すと、深緑色のインサートスーツの空気が抜ける音がして体に沿う。
「おお……これがインサートスーツ? へえ、なんかすごい」
スズは、まるで嬉しそうに自分の手首を見回す。
肩の部分には、大きくて丸い灰色の金具が付いている。
スズのインサートスーツの背中には数字が入っており、スズが〝ウーゼ5号機の適性者〟だと示すものだ。
パイロットは、体の全神経と接続することができるインサートスーツを着用している。
各パイロットの思考を読み取れる、思考言語認識機能もインサートスーツに付けられており、人間でいえばちょうど頚椎付近をぐるりと囲むようになっている。
ふいに、スズは、質問をした彼女たちを見ると、カーテン越しの彼女たちはエアーボタンを押す。
スズは気まずくなり、彼女たちから目をそらした。
小さく空気が抜ける音がすると、カエデの暗灰色のインサートスーツが沿う。
彼女の黒髪も揺れ動く。髪は胸までの長さだ。
カエデの両手首すぐの場所の外側と、両二の腕の辺りには、チューブをつなげるための金具が付けられている。ウーゼとチューブをつなげると、本人は言った。あなたがノヴァ支部に来る前に改良されたとも、彼女は言う。
これは、カエデだけのインサートスーツの特徴らしい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




