異変
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
指令室のパーソナルコンピュータが、ビィー! ビィー! と、凄まじい警告音を鳴らす。
青年が、周囲に呼びかけた。
「何が起きている?」
同指令室のウーゼ開発研究主任は、そつなく言う。彼女は、普段は明るい声で友人と話すが、今は真剣な声になっている。
「室長。信号逆流、回路も切断できません。次々に、断線していきます」
今の彼女は、肩までの茶髪を邪魔にならないように縛っている。彼女は、指令室でもウーゼのケージでも、上下着脱可能な紺色のつなぎ服を着用しており、名前のとおり、桜色のジャンパーを羽織っている。
青年は、彼女に尋ねた。
「止められるか? 林主任。2号機パイロットはどうだ?」
それから彼は、他の職員に尋ねた。
林主任は、座っているワーキングチェアごと、指示を仰ぐ青年に体を向ける。結っている茶髪とIDカードケースが、激しく揺れ動いた。
「心理グラフに多少の乱れがあります」
サクラはパーソナルコンピュータを凝視しながら、少し焦りを感じていた自分を落ち着ける。
「プログの射出信号を5号機に送ってくれ」
指令室の巨大なメインディスプレイから、5号機のディスプレイが開かれ、凛とした声が指令室全体に響く。カエデの声だ。
『行きます。平気です』
その言葉に、指令室一同はざわついた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




