別世界に来た少女
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
スズはウーゼパイロットの登録準備をサクラとともに確認したり、自分の身体検査の記録の確認を、またサクラと確認するなど、慌ただしい準備などに追われていた。だが、それらが無事に終わると、今度は外に連れ出され、サクラが運転していた銀色のハイブリッド車から、後部座席の扉を開けて降りる。
この車は、『ノヴァ日本支部』の社用車らしい。基本色の黒色だけではなく、さまざまな色があるらしい。スズが、サクラ本人から聞いたのは、彼女のこの車が、愛車だということだ。
彼女は、室長のハルトとともに、ある場所へと来ていた。
銀色のハイブリッド車が日本支部専用の通路に進むと、ガタタンッ、ガタタンッ、と微振動が、時々、車内にまで響く。その車はレールに乗っていた。やがて、レールを抜けて公道に出ると、銀色のハイブリッド車は、学校の正門についた。
「あの、ありがとうございます。サクラさん」
「ううん。気にしないでよ。到着したね。ここが、これからみんなが通う学校だよ」
サクラがスズに言うと、彼女は驚きながら学校を見る。
「ここが……」
正門に『諏訪中学校』と学校名が書かれた看板が掲げられてある。
サクラは、片手でバインダーを持った。
「スズちゃん。すぐに慣れるよ。えへへっ」
「はい。しかし、すごいですね。学校も地下にあるなんて……」
「でしょ? ホントにすごいんだ」
人工的に造られた太陽が、スズの手触りのいい肌を焼く。スズは太陽光から逃げるように、双眸を片手を覆った。兵装ビルの中には、攻撃兵器が収納されているだけではなく、地上からの太陽光を集める集光ビルもあるらしい。
「ホントに別世界に来ちゃったなあ」
スズは歯を見せずに、口角だけ上げる。笑い慣れていない彼女の顔は、少しぎこちなかった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




