約束
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
アオは、彼女に笑顔で話しかける。
「スズ。僕も同じだよ」
スズはうなずいたが、彼女は、今度はすがるようにサクラに問う。
「私に……みんなを救えるんですかね?」
サクラは、また少しスズを見ていた。
「でも、私たちは、スズちゃんたちに頼らないといけないんだ。不甲斐ないけど、私たち大人は、子どもたちに護ってもらわなきゃいけない」
スズは唇を少し引き締める。
「……カエデさんに、助けるって約束したからなんです」
ただ、それだけなのに……。スズは、また言葉を付け加えそうになった。だが、彼女は、口を閉じてそれ以上は言わなかった。
〝でも、なんだか、彼女のことを護らなくちゃって……〟
その言葉を、スズはなぜか飲み込む。ここで言わなくてもいいのかもしれない、と彼女が考えたからだ。
なんで、私のこと、知ってたんだろう? なぜ、私はリリムに生かされてるの? スズはうつむいたままだが、何か決意をしたような表情になる。拳をぎゅっと握り、唇を結んで顔を上げた。
アオは、そんな彼女の背を優しく撫でようとしたが、それをすぐにやめる。スズが、人に触れられることが苦手だとわかっていたからだ。先ほど、スズが体を震わせて青ざめた顔でアオを見たことが、触れられることが苦手だと示す行動だろう。
スズは、5号機をまっすぐに見つめた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




