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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
初戦 出会い
53/260

約束

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 アオは、彼女に笑顔で話しかける。

「スズ。僕も同じだよ」

 スズはうなずいたが、彼女は、今度はすがるようにサクラに問う。

「私に……みんなを救えるんですかね?」

 サクラは、また少しスズを見ていた。

「でも、私たちは、スズちゃんたちに頼らないといけないんだ。不甲斐ないけど、私たち大人は、子どもたちに(まも)ってもらわなきゃいけない」

 スズは唇を少し引きめる。

「……カエデさんに、助けるって約束したからなんです」

 ただ、それだけなのに……。スズは、また言葉を付け加えそうになった。だが、彼女は、口を閉じてそれ以上は言わなかった。

 〝でも、なんだか、彼女のことを護らなくちゃって……〟

 その言葉を、スズはなぜか飲み込む。ここで言わなくてもいいのかもしれない、と彼女が考えたからだ。

 なんで、私のこと、知ってたんだろう? なぜ、私はリリムに生かされてるの? スズはうつむいたままだが、何か決意をしたような表情になる。(こぶし)をぎゅっと(にぎ)り、(くちびる)を結んで顔を上げた。

 アオは、そんな彼女の背を優しく撫でようとしたが、それをすぐにやめる。スズが、人に触れられることが苦手だとわかっていたからだ。先ほど、スズが体を震わせて青ざめた顔でアオを見たことが、触れられることが苦手だと示す行動だろう。

 スズは、5号機をまっすぐに見つめた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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