スズとハルト
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
支部の廊下の壁には、さまざまな施設名の看板が書かれている。
スズが支部に着いたときには医療班の指示により身ぐるみを剥がされ、薄緑色の術衣の格好となった。そのまま大量の身体検査に加えて、いくつかの質問に答えたスズは、ドッと、疲れ果てていた。
スズは、案内された更衣室で制服に着替え直すと、先を行くハルトに着いていく。なんていうか、静かな女の子だったな。さっきの……。スズは少しうつむいた。あの白い髪の女の子に少し似てたけど、気のせいだよね?
ハルトが、スズのほうを振り向く。
「何かあるなら言ってくれ。いつでも相談に乗るよ」
スズはうなずいた。彼女は彼と話していると、段々と自分のすさんだ心が少しずつ晴れるような気がした。
「あのさ、ハルト。さっきのことなんだけど……」
スズは当初、ハルトが言っていたように、彼を呼び捨てで呼ぶことにした。彼の許可を取って、敬語も外すようにしたが、しかしスズのほうが、彼よりも年下だ。
「まあ、言いたくなったら言えばいいんじゃないか?」
スズはまたうなずき、唇を少し噛みしめる。
「うん……わかった」
ハルトは、前方に扉が見えてくると話を切り替えた。
「ここが、射出ターミナル。今から、この奥のケージに向かう」
スズが作業の声に見上げると、渡り廊下に作業中の職員がいた。
ハルトもケージを見上げながら、彼女に説明を続ける。
「ここからウーゼが射出される。場所は決まってないから、専用のルートを使ってルート変更もできるんだ」
作業している人もたくさんいるなあ……、とスズは、作業員よりも巨大な、灰色と黒色の人型のものを見上げる。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




