『ノヴァ日本支部』
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
ハルトは、パイプ椅子の影に隠れるようになっていたものを、術衣姿のスズに差し出す。
「あ、そうだ。これ、支部から持ってきた」
スズは、ハルトに白色の紙袋を手渡される。
「ありがとうございます」
袋には英語で、NOVA、と書かれていた。ん? 何、これ?
「あの二人は………エンジェルっていう、敵と戦ってるんですか? あれは、人みたいな感じ、だったんですけど……」
ハルトは、寂しそうな表情をしながら彼女に言う。
「なんのために俺たちを襲うか……なぜ襲ってくるのかもわからない」
スズは不安な表情をしながら、ハルトに言った。
「あの二人のけがは? 大丈夫なんですか?」
「他の病室にいるよ。とはいっても、一人はそこにいるけどな?」
ハルトは、顔を後方の扉に向けた。
「そうなんだ。よかった」
ハルトは、その顔をスズに戻す。
「『ノヴァ日本支部』って、知っているか?」
「『ノヴァ日本支部』? それって、なんですか?」
ハルトは、左手の人差し指で紙袋をさす。
スズはハルトが意味がわからない行為をしたので、少し訝しげに尋ねてしまった。
「あの……これが、何か?」
「『ノヴァ日本支部』は、エンジェルを倒すためにつくられた組織なんだ」
ノヴァ。組織の名前だったんだ……、とスズは手渡された袋の英字を見る。
「じゃあ、さっき助けた二人もなんですか?」
ハルトはうなずいた。
「ああ。二人も所属してる」
スズは不安を覚えた。それって、あの敵と戦うんだよね? こんなこと……できるのかな?
「俺は、おまえらに託したい」
彼女はうつむいた顔を、青年に向ける。何を……?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




