↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
初戦 出会い
45/261

スズとカエデ

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 スズは、ベッドの上で目を覚ます。

「——ここは」

 部屋のカーテンは開けられた窓によって、なびいていた。

 すぐに、スズの記憶は戻ってきた。

 あの黒髪の女の子——カエデが、肩で必死に呼吸をしながら苦しんでいる姿。

 轟音(ごうおん)とともに、自分の頭がひどく痛くなったこと。



——そして、あのとき以来、初めて死を感じたこと。



 スズは勢いよく、ベッドから起き上がった。

 どこか遠くに聞こえる午後のニュースが、彼女の耳に徐々(じょじょ)に聞こえ始める。

『先ほど、日本政府と国連軍との合同会議の結果、第5管区の事件は、爆発事故だと、正式に発表され——』

 電光がついていない電灯を、スズは(あお)向けでぼんやりと見る。

「なんでカエデさんは、あの白髪(はくはつ)の子に似てたんだろ……」

 スズは、嫌な記憶の一部をふっと思い出すと、背筋がぞわりとした。

 膝を抱え、まぶたをぎゅっと強く閉じ、自分の肩を抱きしめる。

 病室の扉からノックの音が聞こえると、青年の姿と、一瞬だけ長い黒髪を持つ少女の後ろ姿が見えた。

「あっ……」

 スズはベッドから降りると、彼女に駆け寄ろうとしたが、足がもつれた。少女はそれに気がつくと、スズに体を向け、手を差し伸べる。

「大丈夫?」

 彼女はあひる座りをしながら、再び、黒髪の少女に上目遣いをした。

「うん……ありがとう。えっと……」

久遠(くおん)カエデよ。よろしく、(たちばな)さん」

「やっぱり、久遠さんだ。さっきはありがとう」

「いえ。カエデでいいわ。あなた、私のこと、カエデさんって呼んでたじゃない」

「いや。そんな……」

 スズは胸の前で、もろ手を振った。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。