破壊再生
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
支部の一同は、5号機のディスプレイから聞こえた声に、ざわつき、顔を見合わせたりしている。
アカネは、少し彼女を嘲笑しながら、メインディスプレイをじっと凝視する。
若干、困惑した表情のハルトは、ため息をつき、独り言をつぶやく。
「というか、無理し過ぎだよな。あいつ」
サクラが目を釘付けにする視線の先には、ディスプレイが映る。
「今の声は……」
アカネは、納得しながら言う。
「やはり、彼女ね」
サクラも、はい、と賛同した。しかし、何かに気づいた彼女は、誰にでもなく驚きながら、続けて問いかける。
「ということは、先ほどの5号機の再起動はどういうことですか? しかし、アンチシステムは正常に発動をしていました。ですよね? 室長?」
「そうだな。しかし、あれは……」
だが、思考を巡らせていたハルトが、続けざまに答える。
「エネルギー切れからの再起動、プロテクトの攻撃……あれは、破壊再生だ」
「ですが、あんな戦い方は……」
その後方から、アカネの声が響く。
「可能よ」
その場にいた一同、特にハルトは、眉をひそめながら、後ろで腕を組んでいるアカネに問いただす。
ハルトは、アカネをあまり信用してはいなかった。
「それは、橘スズ——」
口を開いたが、ハルトはすぐに言い直した。
「いえ、5号機パイロットと関係があるのですか? 汐波司令」
指令室では、砂嵐になったメインディスプレイを見続けていたオペレーターが、報告をする。
『メインディスプレイ、回復します』
画面には、後方に白き十字架がそびえ立ち、前方には大破した2号機と5号機が映っていた。
ウーゼ開発研究主任が報告をする。
『誰かが、5号機のプログから出てきます! あ……!』
白いワンピース姿の少女が制服姿の人間を背負い、暗灰色のインサートスーツ姿の人間と肩を組ながら、5号機のプログから出てくる映像が、メインディスプレイに流れる。
アカネがつぶやく。
「やはり、彼女だったのね」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




