アンチシステム 発動
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
そのとき、思案していた彼女は、何かの発動の報告をする。
『アンチシステム、発動しました!』
システムは二種類ある。
アンチシステムは、ウーゼの起動を指令室から制御する基幹システムの役割となっている。
緊急停止システムは、ウーゼの起動を完全停止させるもので、たとえ、パイロット側に動かす思考があったとしても、ウーゼが起動できないシステムだ。
そして、主任が報告を続ける。
『プログの強制射出を開始します!』
だが、それは、アカネによって止められる。
「いえ、やめなさい」
『え? ですが……!』
彼女が反論しようとしたとき、ハルトが、アカネに進言をする。
「汐波司令。5号機パイロットは、腹部と頭蓋骨の損傷が激しく、すぐに治療をしないと危険な状態です」
「では、インサートスーツの生命維持モードを発動して」
室長の彼は、はい、とうなずき、サクラもすぐに報告を続ける。
「——インサートスーツの表示が、5号機パイロットではありません。表示が識別不能です」
「それは放っておいて。現時点では別問題よ」
アカネは、何を思っているかわからない、茶色の艶のある瞳でウーゼ開発研究主任に言う。
「林主任。もし、パイロットが存在しないと、ウーゼはどうなるの?」
彼女は少し唇を結び、メインディスプレイを見つめた。
一方、アカネは、けたたましく鳴らされる指令室の警報を聞きながら、大勢の職員の中にいる主任の背を見る。
「そう。だから今、彼女を出すわけにはいかないの。それに今、5号機のプログの強制解除は不可能よ」
彼女は納得できないと思いながらも、これ以上、何も反論しないことにした。
『はい。プログの強制射出を解除します』
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




