所在不明
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
指令室では警報が、ビィー、ビィー、とけたたましく鳴らされ、オペレーターが慌ただしく、パイロットの報告を伝達する。
『5号機、頭蓋前部の損傷、八十パーセント!』
サクラが、ハルトに報告を続ける。
「もうこれ以上は、パイロットが危険です」
ハルトが、指令室一同に指示を出す。
「パイロット保護を優先! アンチシステムの発動を急げ!」
ウーゼ開発研究主任はすぐに承諾するが、すぐに報告を続ける。
『5号機内に、再び、巨大な熱エネルギー反応を感知!』
すぐに、フェイトの無機質な合成音声が館内中に告げる。
『真白ユキの所在不明。捕捉不可能。繰り返す。真白ユキの所在——』
職員全員は、その館内放送に耳を疑った。
アカネは独り言をつぶやいた。
「そう……出てきたのね。サクラ、5号機内の反応を確認して」
サクラのパーソナルコンピュータには、各パイロットのマークが表示されている。第四長野都市周辺の地図とともに、パイロットたちは赤い小さな丸でマークされているのだ。
橘スズと久遠カエデは5号機内にいるとメインディスプレイが告げているが、またもうひとつ、別な反応がある。
地図には、『真白ユキ』と表示されていた。
「あっ……彼女は、地下の〝クロス〟に隔離されているはずですよね? なぜ裏口に?」
サクラは、信じられないという風に左手をあごに当てる。彼女は、すぐに原因と思われる考えに思い当たった。
「まさか。現時点での破壊再生の可能性は、とても高い。Nコードは現在も、いまだ異常なし。また、ウーゼ5号機に搭乗しているパイロットの、適合率の高さからみても、可能性が大いにある——」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




