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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
初戦 出会い
33/260

眩い光

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 5号機がナイフで壁を破壊しようと試みると、エンジェルのプロテクトを割る。それは、ガラスが割れるような音から、ビニール袋を破るような音に変化した。

 再び、足元から黒い影がエンジェルに襲いかかる。

 スズはカエデに勢いよく、顔を向ける。

「何これ⁉ また、影?」

 カエデは狩りをする獣のように、一重の黒い(ひとみ)をエンジェルに(さだ)め続けていた。

「黙って、影に飲み込まれなさい!」

 エンジェルは自身を(まも)っていたプロテクトが割れると、濃紺色の巨躯(きょく)が現れたことを、当然とばかりに、恐怖を感じないような視線を向ける。

「何。割れたのね……」

 それはむしろ、冷ややかな目でもあった。

 スズは、エンジェルのプロテクトが割れたことに安堵(あんど)して、少し気が楽になる。

よし!

「このまま——」

 だが、エンジェルが、5号機の頭をガシッ、と強くつかむ仕草(しぐさ)をする。

 スズはその光景にただ圧倒され、目を丸くする。

「えっ?」

 エンジェルは片手を銃の形にして、その照準を5号機の頭部へと定める。

 再び、(りん)とした叫び声が、5号機のコックピットに響く。

 カエデだ。

「離しなさいッ!」

 同じく、上からナイフが振り下ろされるが、右腕を失ったエンジェルは、5号機をつかんでいた左手を、そのまま照準を合わせる。

 スズとカエデの二人は、目の前が(まばゆ)い光で包まれ、ハッと気がついたが、逃げることもできなかった。5号機の頭部装甲(とうぶそうこう)に、亀裂きれつが入る。カエデは、声にならない声とともに、ひどく痛む(ひたい)を左手で強く押さえた。

 エンジェルの凄まじいビームの攻撃が、5号機の頭部に繰り出される。

 頭部装甲が、ビシシッ、と轟音(ごうおん)をたてて壊されていく。すると、そこから、赤い体液が勢いよく流出する。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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