眩い光
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
5号機がナイフで壁を破壊しようと試みると、エンジェルのプロテクトを割る。それは、ガラスが割れるような音から、ビニール袋を破るような音に変化した。
再び、足元から黒い影がエンジェルに襲いかかる。
スズはカエデに勢いよく、顔を向ける。
「何これ⁉ また、影?」
カエデは狩りをする獣のように、一重の黒い瞳をエンジェルに定め続けていた。
「黙って、影に飲み込まれなさい!」
エンジェルは自身を護っていたプロテクトが割れると、濃紺色の巨躯が現れたことを、当然とばかりに、恐怖を感じないような視線を向ける。
「何。割れたのね……」
それはむしろ、冷ややかな目でもあった。
スズは、エンジェルのプロテクトが割れたことに安堵して、少し気が楽になる。
よし!
「このまま——」
だが、エンジェルが、5号機の頭をガシッ、と強くつかむ仕草をする。
スズはその光景にただ圧倒され、目を丸くする。
「えっ?」
エンジェルは片手を銃の形にして、その照準を5号機の頭部へと定める。
再び、凛とした叫び声が、5号機のコックピットに響く。
カエデだ。
「離しなさいッ!」
同じく、上からナイフが振り下ろされるが、右腕を失ったエンジェルは、5号機をつかんでいた左手を、そのまま照準を合わせる。
スズとカエデの二人は、目の前が眩い光で包まれ、ハッと気がついたが、逃げることもできなかった。5号機の頭部装甲に、亀裂が入る。カエデは、声にならない声とともに、ひどく痛む額を左手で強く押さえた。
エンジェルの凄まじいビームの攻撃が、5号機の頭部に繰り出される。
頭部装甲が、ビシシッ、と轟音をたてて壊されていく。すると、そこから、赤い体液が勢いよく流出する。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




