自分の片は自分で
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
カエデは終始無言で、スズが横目で彼女を見ても、彼女からの反応は何もなかった。
「ねえ、あの人って、アオくんのこと苦手なの?」
カエデは、スズを横目に、ディスプレイを左手で操作している。
「はっきり言うと、二番目に嫌いよ」
いったん、カエデは、ディスプレイ操作の手を置くと、あごに左手の曲げた人差し指の節を添える。
「むしろ、手駒になりそうなのに……」
「え? 手駒? ひどくない?」
カエデは首を振って、凛とした声で答える。
「いいえ。私たちは過去にそのくらいのことをしたのよ。自分の片は自分でつけないと……」
カエデはスズを横目で見てから、厚さの薄い唇を真一文字に引き結ぶ。
「示しがつかないわ。私自身にもね」
カエデに言われたスズは、ぼんやり考えていた。この子以外に示しがつかない人がほかにもいるのかな? いやいや、そんなわけないよね……。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




