↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
初戦 出会い
21/261

指令室 応答願う

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 そのとき、ディスプレイが開いた。助けを呼べる、とスズは一瞬思った。

 だが、スズに背をさすられている彼女は、ぐらりと、体勢を崩した。

「大丈夫? ねえ、君? 大丈夫?」

 スズが肩を揺すり、彼女に何度呼びかけても、彼女は横向きの体勢のまま、肩で息をしていて、返事を返せない状態に(おちい)った。

 スズも、喉が痛い、と思い始めた。彼女は、せき払いをするが、CPO(シーピーオー)(のど)に入るだけだった。

 開いたディスプレイを閉じかけたまぶたで見つめると、〈VOICE(ボイス)ONLY(オンリー)〉と表示されていた。そこからは、青年の声が聞こえる。

『平気か? 今、酸素濃度の表示を変える。CPO酸素チューブをくわえられるか?』

 スズは、青年の声に尋ね返す。

「何? なんて言ったの?」

 スズは、早速、先ほどの戦闘服を着た少女が座っていたコックピットにゆっくりと立ち上がって向かい始める。

 すると青年は、言葉をゆっくりと区切りながら、応えた。

『前方に車のダッシュボードみたいなやつがある。それを手前に引くと、透明なチューブがあるから、それをくわえてくれ』

 アオは、ある方向に指をさす。

「スズ。その灰色のだよ」

 スズはうなずく。

「うん。わかった」

 ガチャッと、スズが、灰色のダッシュボードのふちを手前に引くと、透明なチューブが円をえがいて折りたたまさっていた。

 彼女は、それをくわえると、コックピットの背もたれに背中を預けた。

 しかし、先ほど、CPO循環器に自分の背中を強打したせいで、彼女は苦痛に顔を歪め、背をさする羽目になった。

「どうすればいいんだろう? あっ、さっきの人! でも、そういえば名前聞いていないや。とりあえず呼ぶか……」

 スズは、ディスプレイに向かって呼びかける。

「あの、すみません?」

 アオも呼びかける。

「1号機(改2)パイロットの一色(いっしき)アオだ。指令室応答してくれ。指令室? 山田(やまだ)室長? 1号機(改2)パイロットの一色アオだ。指令室、応答願う」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。