優しい人たちから逃げた少女
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
ユキは自らの胸の前に、握った拳を置いた。
「本当に? スズ。それはあなたの心からの思いなの?」
「……本当に、最初から悪い人もいるかもしれない。でも、優しい人が悪事を起こしたら、それは何か理由があると思うんだ」
スズはぐっと、拳を握った。
「私は、優しい人たちから逃げた。そう、逃げたんだよ。あの人たちの優しさが怖くて……逃げたんだ」
「スズ。私にはたくさん秘密がある。そのひとつは、昔、あなたを助けたリリムは、私。私は、ナギサたちを殺したの。つまり、私は殺されていい存在」
スズは息を吸って、吐いた。それから、彼女は、こめかみに片手を置いた。彼女は長く息を吐く。
「私、真白さんを恨みたくない……誰かを恨んだまま、生きていたくないよ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




