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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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戦争を起こすには理由がある

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 医務室への帰路に着くスズは、途中で合流したユキとなにげない会話を、時々していた。聞けば彼女は、医務室に寄る途中だと言う。スズが聞くところによると、彼女もカエデと同じく、定期検査の予定があるらしい。

 しかし、スズは、彼女の覚悟のような言葉を思い出し、ユキを横目で見て尋ねた。

「どうして、真白さんは、ウーゼに乗ってるの?」

 ユキは一瞬考え、答える。

「償(つぐな)いだから」

「そうなんだ……」

「でも、あなたたちと出会って、嬉しいことが増えたの」

「私はあのとき、真白さんにも助けられたよ。ずっと真白さんに、ありがとう、って伝えたかったんだ」

 ユキは少し驚くと、不思議そうにスズに尋ねる。

「今、伝えてるけど?」

 スズは気がつくと、はにかんだ。

「そうだね」

 また少し沈黙が訪れる。

 スズは話す内容を探したが、ふと口に出す。

「ありがとう。話、聞いてくれて」

 彼女は、ううん、と首を横に振る。

「スズの話を聞くのは好きだから」

 スズは少し驚き、ワンテンポ遅れてうなずきながら、ユキに返事をする。

「あ……うん」

 好き、か……。初めて言われたな。そんなこと……。

「真白さん。戦争は嫌い?」

「私? 戦争を体験することが嫌いということ? それとも……戦争を起こす人間が、スズは嫌いなの?」

「両方。でも、戦争を起こす人はきっと何か理由があったと思うんだ。たとえ、戦争を起こしたとしても」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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