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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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助けなくていい

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 「久遠(くおん)さん、なんで私を……」

 スズの(のど)に、(なまり)のような重いものが詰まった。助けようとするの? 

「それは、私があなたを助けたいからよ」

 スズの胸に、カエデの言葉が重くのしかかってきた。

 まるで、彼女が自分の前から今すぐにでも消えようとしているようだった。

 頭に嫌な予感を感じたまま、彼女は唾を飲む。その言葉を意識しようとすると、なぜか胸の奥が少し痛くなった。……久遠さんが? 

 スズは、カエデに諦めることを促すようにつぶやく。

「私のこと、助けなくていいよ」

 カエデはスズの言葉を遮って、はっきりと否定するかのように言う。

「いいえ。私は、あなたを、ユキを——」

 突然、カエデの携帯電話が鳴ると、彼女は電話の通話ボタンを押した。

「はい。はい。わかりました」

 カエデは電話の相手に言い、再び、通話ボタンを切る。

「どうしたの?」

「定期検査よ」

「じゃあ、私は、先に部屋に戻るね」

 カエデは彼女を止める。

「待って。スズ。来てくれてありがとう」

「……うん」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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