助けなくていい
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
「久遠さん、なんで私を……」
スズの喉に、鉛のような重いものが詰まった。助けようとするの?
「それは、私があなたを助けたいからよ」
スズの胸に、カエデの言葉が重くのしかかってきた。
まるで、彼女が自分の前から今すぐにでも消えようとしているようだった。
頭に嫌な予感を感じたまま、彼女は唾を飲む。その言葉を意識しようとすると、なぜか胸の奥が少し痛くなった。……久遠さんが?
スズは、カエデに諦めることを促すようにつぶやく。
「私のこと、助けなくていいよ」
カエデはスズの言葉を遮って、はっきりと否定するかのように言う。
「いいえ。私は、あなたを、ユキを——」
突然、カエデの携帯電話が鳴ると、彼女は電話の通話ボタンを押した。
「はい。はい。わかりました」
カエデは電話の相手に言い、再び、通話ボタンを切る。
「どうしたの?」
「定期検査よ」
「じゃあ、私は、先に部屋に戻るね」
カエデは彼女を止める。
「待って。スズ。来てくれてありがとう」
「……うん」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




