『人類再生計画』
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
「なんで、俺にもカエデにも優しいんだよ?」
ユキは少し考え、答えた。
「償いだから」
ハルトは、少し唇を噛んだ。
「……ユキ、知ってるのか? 人類再生計画のこと」
灰色の瞳は、燃えるような赤い瞳を見据えた。
「じゃあ、俺は行くから」
それから少しもしないうちに、灰色の瞳を持つ青年は、少女に思い出したように伝える。
「あ、アオは釘刺されたから、当分うろちょろと部下たちに嗅ぎまわったりしないだろ。俺ら怒られたんだよ。議長に」
「彼、とても怒っていなかった?」
「ああ……いや、とてもじゃないが、ユキに聴取したって議長から言われたときは、わりと怒っていたな」
「もう彼は、その施設を破壊できる力を持っていないということ?」
その施設というのは、当然、イギリスに存在するノヴァ本部のことである。
ユキがその意味を含めて尋ねると、ハルトは首を横に振る。
「それはわからない。力は抑えてるって言ってるけど……おまえは?」
ユキもハルトと同じく、首を横に振るが、彼女の胸までの長髪がサラサラと流れる。
それは、内廊下の天井の電光に照らされて、白い色をさらに際立たせていた。
「わからない。でも、私は大切な存在がなじられたり、暴力を振るわれたりしていると、とても嫌な気分になるから。そのときは使ってしまうかも」
ユキはふいにハルトに向かって、顔を上げた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




