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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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ハルトの気遣い6

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 スズは、ユキをちらりと見てから目をそらす。やっぱり、リリムと似てるけど……でも、真白さんは、どこかリリムとは違うな……。

 スズは、前につぶやいた彼女を少し思い出していた。



「スズは温かい。私の心も暖かい」



 私は、真白さんやみんなのことを知らないって気づいたんだ。久遠さんも……。

「ねえ、久遠さん、大丈夫なのかな?」

「大丈夫って?」

「あ……私がいるとすぐ部屋出ていっちゃうし、ほら、この間だって、具合悪そうだったし……」

 ハルトはあごに左手を当てる。

「スズ。それ、気にしすぎじゃないか? なんつーか、人の気持ちを優先しすぎてるよな」

 スズは一瞬驚いたが、膝を抱えて顔をそむける。

「それもいいけど……でもそれって、いいことなんてないからな?」

 いいこと? 何が? 

「なんで?」

「疲れないか? それ」

「え……?」

 ハルトの顔は、いつもより真剣だった。彼は、眉をひそめているわけでもなく、ただまっすぐに、スズを見ていた。

「ずっと引きずってるのは、疲れないか?」

「……考えちゃうんだ。どうしても」

「そっか……。真白さん、ハルト。久遠さんって、どんな人なの?」

「エンジェル嫌いな、努力家の2号機パイロット」

「カエデは、どこか心が暗くなる表情をしてるときがある。だから私は、カエデの力になりたい」

 やっぱり、私は、久遠さんのことを知りたい 

「ちょっと、行ってくる」

 ハルトは立ち上がったスズを見る。

「ああ、わかった」

「うん。ありがとう、二人とも」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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