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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
180/260

ハルトの気遣い5

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 ユキは、ウーゼに搭乗している回数を把握していないスズに対して、ウーゼ開発研究主任((はやし)サクラ)が搭乗する回数が多すぎると叱りつけた、と話を聞いた。

 ちなみに、林サクラは、特技がある。それが、ウーゼの知識量やその応用だ。それらなら、彼女の右に出る者はいないとされているほど、彼女の知識は奥深い。

 もし、ウーゼ検定というものがあるならば、彼女は世界中の研究員とも張り合えるかもしれないのだ。



 スズは髪をかきながら、視線をうろつかせている。彼女自身、叱られる雰囲気も気まずさも慣れないのだ。

「ごめん……」

 ハルトが怪訝(けげん)そうな顔をした。

 スズは髪をかく手をとめ、彼に尋ねた。

「え……どうしたの?」

 ハルトは、左手をあごに当てる。

「そういや、報告書に記載されている5号機の搭乗回数がやけに多いな、なんて思ってたんだが……そうだったのか」

「あ……ごめん」

「いや。スズでよかったよ」

 だが、ハルトは少し不思議そうな顔になる。

「でも、十三回なんて、よっぽどだよな」

「え? 十三回?」

「本当に知らないのか?」

 スズは、不思議そうな表情をしながらだがうなずく。

 ハルトは少し髪をガリガリとかいた。

「搭乗回数」

 それから、スズに指をさして彼の顔を見た。

 ハルトにつられて自分自身を指さしたスズは、気まずさからギクリとなったが、また首を触る。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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