嫌な記憶2
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
「ねえ、あなた……どうかしたの?」
スズは、聞こえてきた声に思い当たる。この声、〝リリム〟?
「リリム? そうなの?」
スズはうつむいた顔を上げ、一人の少女を見上げる。
「いいえ。違うわ」
リリムは冷静な声で、彼女の問いをきっぱりと否定をする。
スズは、わからなくなった。
「え?」
リリムじゃないとしたら、じゃあ……一体、誰?
そのリリムの声は、彼女が聞き覚えのある静かな声になり、彼女はスズに手を差し伸べる。
「行こう。スズ」
え? 真白さん……?
「真白、さん? どうして……?」
「どうして? 私は私。私があなたを、絶望へと導いてあげる」
——絶望? なんで急に、そんなことを言うの?
「え……真白さんが、何を言ってるのかわからないよ?」
「では、あなたにとって、私の存在は何?」
存在……?
スズは手で、ごしごしと目を拭うと立ち上がり、彼女の顔をまっすぐ見た。
「私にとって、真白さんは大切な人なんだ」
——だが、彼女の返事は思いもよらぬものだった。
「スズ。私が、あなたの願いを叶えてあげる」
「え? 願い? 何それ。真白さん、私は——」
スズは、彼女がまるで、愛おしそうに自分の顔に手を添えた——と思ったときには、するりと、彼女の左手が自分の首に回される。な——。
「何するの? まし——」
驚きながら、ユキに反論しようとしたスズは、長いまつげから上目遣いで自分を見つめる赤い瞳に惹かれる。思わず、まぶたを強く閉じた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




