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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
174/260

嫌な記憶2

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



「ねえ、あなた……どうかしたの?」



 スズは、聞こえてきた声に思い当たる。この声、〝リリム〟? 

「リリム? そうなの?」

 スズはうつむいた顔を上げ、一人の少女を見上げる。

「いいえ。違うわ」

 リリムは冷静な声で、彼女の問いをきっぱりと否定をする。

 スズは、わからなくなった。

「え?」

 リリムじゃないとしたら、じゃあ……一体、誰? 

 そのリリムの声は、彼女が聞き覚えのある静かな声になり、彼女はスズに手を差し伸べる。

「行こう。スズ」

 え? 真白さん……? 

「真白、さん? どうして……?」

「どうして? 私は私。私があなたを、絶望へと導いてあげる」

 ——絶望? なんで急に、そんなことを言うの? 

「え……真白さんが、何を言ってるのかわからないよ?」

「では、あなたにとって、私の存在は何?」

 存在……? 

 スズは手で、ごしごしと目を拭うと立ち上がり、彼女の顔をまっすぐ見た。

「私にとって、真白さんは大切な人なんだ」

——だが、彼女の返事は思いもよらぬものだった。

「スズ。私が、あなたの願いを叶えてあげる」

「え? 願い? 何それ。真白さん、私は——」

 スズは、彼女がまるで、愛おしそうに自分の顔に手を添えた——と思ったときには、するりと、彼女の左手が自分の首に回される。な——。 

「何するの? まし——」

 驚きながら、ユキに反論しようとしたスズは、長いまつげから上目遣いで自分を見つめる赤い(ひとみ)()かれる。思わず、まぶたを強く閉じた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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