スズとリリム2
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
周囲に鳴り響く警報。避難を叫ぶ人々の声。
目の前にある割れたガラスの窓を、自分から覆うように佇んでいるリリム。
リリムが言葉を発すると、轟音がスズの耳に響く。
『消えなさい。神の子よ。あなたに最愛の祈りを』
ヒュウッ、と何かが風を切った瞬間、ウーゼに螺旋状のものが腹部から背中にかけて深々と突き刺さる。
スズは突如として吹き荒れた突風に、両腕で自分の顔を覆っていた。
「何、今の……」
スズはよろめいたが、近くに座り込んだ。彼女は、四つん這いになり、トイレに体を引きずるように這っていくと、嘔吐する。肩で大きく息をしながら肺に空気を入れようとしたが、スズは激しくせき込む。
玄関の扉が開くと、サクラが現れた。
スズは、恐る恐るリリムを見上げる。リリムは透明な瞳で、スズを見つめていた。
サクラは、スズの背中に手を伸ばす。
「スズちゃん! ねえ、大丈夫?」
だが、スズは顔面蒼白で首を振り、ビクッと体を震わせて、荒く呼吸を繰り返す。
サクラに支えられながらスズが出ていくと、玄関の扉が、バタン、と閉まる。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




