縮まらない距離2
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
スズの回想はユキに謝る気持ちで支配をされ、中断される。彼女は、気を取り直す。
「あ、ごめん。変なこと言って」
ユキは、ただひと言つぶやいた。
「……思い出すから」
「何を?」
ユキは、スズの問いかけを遮るように話題をそらす。
「スズは奥の部屋と左の部屋、どっち?」
「えっと、真白さんは?」
彼女はそのふたつの部屋を眺めたあと、少し悩んでからぽつりと言った。
「奥」
「わかった、私は左の部屋使うよ。じゃあ、また」
「うん」
バタンッと、今しがた自室となった扉のドアノブを、スズは閉める。
そのあとは窓ガラスのカーテンをそっと開ける。
そのロックが小さな音がしたあと、窓ガラスを横開きに開ける。
スズはため息をついたあと、ベッドに腹ばいになって倒れ込む。彼女は、少し枕に顔をうずめた。そして、無意識に、自分の左手を見つめる。
「とても優しいんですよ……か。じゃあ、なんで避けてるの? 久遠さん……」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




