縮まらない距離
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
数日前。
スズは廊下で、黒髪の少女を見かける。
「あの、久遠さん——」
スズが声をかけようとする前に、カエデは廊下を歩いて去ってしまう。
「行っちゃった……」
その三日後。
スズは、ケージの受付にいるサクラに尋ねた。
「あの、サクラさん。久遠さんって……」
サクラは入室ログインを打っていたパーソナルコンピュータから目を離し、スズに話しかける。
「あ、今はパイロットテスト中だけど……どうしたの? スズちゃん?」
スズはサクラに話しかけられて、少しピクッとしたが、目をうろつかせる。
「私、なんだか久遠さんに避けられてる気がして……」
「避けられてる感じ?」
サクラに問われたスズは、後ろの髪をかきながら、遠慮がちに言う。
「……気のせいですかね。すみません」
サクラは首を少し横に振り、スズのフォローをする。
「ううん。大丈夫。話せるきっかけを探せばいいよ。カエデさん、本好きだから、そこからとかいいかもね」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




