一緒に住もうよ2
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
「手続きの書面では、司令と室長に私から押印をお願いしたからね」
サクラは、不思議そうな顔になる。
「もしかして、室長から部屋が変更されたって聞いてなかった?」
スズは呆然としながらうなずく。
「はい……。な、なんでなんですか? 私の帰る家が……」
スズは口を開けたまま、サクラに顔を向ける。
「ここになるんですか?」
「私は、楽しみだなあ」
サクラは片手を口に当てて、えへへっ、と微笑む。
「……あの、真白さんも、私たちと一緒に住むんですか?」
スズはユキをちらりと見る。
ユキはこちらを見ているが、彼女の考えていることはあまりわからない。
サクラはのんびりと答える。
「ダメ?」
「ダメじゃないんですけど……でも、部屋はどうするんですか?」
「スズさんとユキは個室ですね。私のことは、あまり気にしないでください」
「わかりました……。あの、お風呂の準番とかはどうするんですか?」
サクラは、うーん、と少し考え込んだ。
「じゃあまた、じゃんけんはどうかな?」
「あ、はい」
「じゃあ、行くよ? 最初はグー、じゃんけん、ポン!」
スズはチョキを出して、ユキはパーを出し、サクラはグーを出した。
その後も、じゃんけんをして、サクラが一番目になった。二番目になったスズは、彼女に尋ねる。
「あの、そういえばさっき、久遠さんのことで何かあったんですか?」
「ああ……カエデさんね。カエデさんは、もともと、あまり人付き合いが得意じゃないんだよ」
スズは、へえ、と彼女に少し興味を持った言い方をする。
サクラは神妙な顔をしながら、その言葉を続ける。
「でも、とても優しいんだよ。自分のせいで、周りの人を傷つけたくないんだってさ」
スズは何も言えないまま、二人を見ることしかできなかった。
三番目になったユキは、またお茶をすする。彼女は、お茶の少し苦みのある味と冷たい温度を気に入ったみたいだ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




