〝計画〟に巻き込めない
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
彼女たちは、サクラから説明を聞いたが——隣同士に座ったスズとカエデの驚いた声がそろって響く。
『え?』
ユキは、スズの真正面の席に座っていた。そして、スズとカエデの驚いている二人を無言で見ていた。
彼女は、会話には参加をしなかった。ユキは冷たいお茶をすすり、そのひんやりとした美味しさに少し驚いていたみたいだ。彼女は、無言でお茶をすすっている。
「私も住むんですか? 二人と一緒に?」
「なぜ私が? それにユキも、一緒に住まないといけないの?」
スズが言い、カエデは、わからないという表情をしながら腕を組んでいる。また、彼女は少し不安そうな表情だ。
サクラは、両手で持っていたダンボールをテーブルのそばに下ろして椅子に座り、カエデを諭す。
「ねえ、カエデさん。慣れないという気持ちはわかかるんだけど、これもスズちゃんたちとの仲を深めるためなんだよ。それに単純に、楽しそうじゃん? ね?」
「いえ、ね? と言われても……でも、私にその必要はないわ。私とユキに、生活する計画なんて含まれていなかったものね」
サクラは、少し不安げな顔になる。
スズは、あれ、と思う。
「けどさ——」
カエデはサクラの言葉を遮って言う。
「誘いは本当に嬉しかったわ」
「待ってよ。カエデさん」
サクラの制止も聞かず、カエデは、ガタッと席から立ち上がり、玄関へと向かった。
「スズ、カバンありがとう。じゃあ、また」
玄関まで彼女を追いかけてきたサクラは、やはり不安そうにカエデに問う。
「お願いだから、少し考えてみない?」
「ごめんなさい。サクラ。あなたの言うこともわかるわ。でも……スズは、〝計画〟に巻き込めないの」
彼女が玄関の扉を閉めるまで、スズは彼女を目で追った。何か言えばよかったかな……? だが、彼女は、なぜだか言えなかった。行っちゃった……。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




