じゃんけん大会
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
ようやく、後ろで何かが起きていると感じて、スズたちがユキに振り返る。サクラが心配をしながら、彼女の髪につく、しだれ桜のようなガムテープを慌てながら気にしていた。
「痛そう……ねえ、大丈夫?」
ガムテープが、気づかぬうちにユキの髪についていたみたいだった。
さすがに、ユキは、ガムテープを剥がすときは痛そうに少しだけ顔をしかめる。彼女は、抜けた数十本の自分の髪がついたガムテープをじっと見た。
スズが言う。
「真白さん。平気?」
ユキは、こくりとうなずいた。だが、いつもより元気がなさそうに顔をうつむかせる。
サクラが、髪の毛をくくる黒色の髪を縛るゴムを持ってくると、ユキに手渡す。
ユキは尋ねる。
「それは何に使うの?」
「この髪ゴムで、ユキの髪を結ぼうかなって。さっきみたいになったら痛いかなって思ったんだよねー」
「うん」
サクラが考案したユキの髪を縛るためのじゃんけん大会がなぜか行われ、四人の中で真っ先にチョキを出して負けたスズが、ユキの髪を縛ることになった。
スズは未だにおさげ髪だ。髪はまだ、二束に増えている。
なぜ、髪をほどかないかというと、ユキに縛ってもらったのに、ほどくのはなんだかもったいない、と、彼女は思っているからだ。それに、他人に自分の髪を縛ってもらう行為が単純に嬉しかったのだ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




