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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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ハルトとアオ、本部に召集

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 ほぼ同時刻。

 ノヴァ本部。その本部がある場所は、イギリスだ。

 ハルトは、いつになく緊張した顔をしていたので、隣に座るアオも、そわそわと妙な緊張感を抱(いだ)いていた。そして、彼は、隣の椅子に姿勢よく座る、黒いスーツ姿の室長に耳打ちする。

「あのさ……なんで、僕たち、本部に招集されてるのさ?」

 十六歳の室長は、金ボタンが並び、左前のボタンを開けている。そして今のアオも、一応、黒いスーツ姿だ。

 ハルトは嫌そうにため息をついてから、前髪を直す。

「俺は、日本支部への反発心から、支部への内部告発やらなんやらでの招集」

 彼が思い出そうとするように目線を上に向けると、墨のように暗い天井がその灰色の瞳に映る。そして、小首をかしげた。

「おまえは、ええと……なんだっけ?」

 アオは、ハルトの両肩を激しく揺さぶる。

「頼むよ。室長? これ下手したら、パイロット三名も、僕たちと同じく追及される可能性あるんだからね」

 ハルトは、揺さぶられている頭をどうにか立て直した。

「だから……わかってるから、その手を離せよ。ここで終わらせる気はない。まだ俺は、わかっていないんだ」

 ハルトは唇(くちびる)を噛み、灰色の瞳(ひとみ)を議長席に向けた。

「何も」

 アオもそちらに顔を向けてから、またハルトに顔を戻す。そして、嘆息をつき、赤色が混じった黒い瞳で、年若い室長を見る。

「それって言い換えれば、〝ほんの一部は理解できてる〟ってことでしょ?」

「答える義務はない。あ、思い出した、アオ。おまえは、エンジェル疑惑と、最近、俺の部下に聞き回っている件について答えなくちゃならないんだよ」

 アオは唸(うな)って、頬(ほお)をかく。

「なんで、よりによって、答えづらい質問ばかりなのかな……」

 両開きの扉が開くと、数人の男性が入ってきた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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