チャーム
この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。
男子生徒は、ふむ、とつぶやきながら、あごに伸ばした親指と人差し指を当てる。
「気になるな……中身」
女子生徒が、彼の肩を軽く叩く。
「それも気になるけど」
スズは、あ、と、小さく声を上げた。
一際、陽の光に照らされて輝いているものが、カエデの革製のカバンに付けられていたからだ。それは、銀色のリングに、輝くものの先をくくられている。
「これ、ストラップ付いてる」
スズは猫が魚をくわえる銀色のストラップを凝視する。
窓際の席に座っていたユキは、彼女の机上のカバンに気づくと、スズに答える。
「スズ。これ、チャームだと思う」
彼女は、右手の細い人差し指をチャームに指さす。
「チャー……? ああ、これ?」
スズは猫のかたどったストラップを見る。これはストラップではなく、チャームというらしい。
しかし、スズには、大して違いがわからなかった。
「へえ……きれいだなあ、これ」
「ねえ、スズさん。あのときのこと聞きたいな。ほら、この間のプールのときのこと」
「ああ……そういえば、プールあったね。ていうか、よく覚えてるね、朝井さん」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。
一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。
一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。




