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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
144/260

チャーム

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 男子生徒は、ふむ、とつぶやきながら、あごに伸ばした親指と人差し指を当てる。

「気になるな……中身」

 女子生徒が、彼の肩を軽く叩く。

「それも気になるけど」

 スズは、あ、と、小さく声を上げた。

 一際(ひときわ)()の光に照らされて輝いているものが、カエデの革製のカバンに付けられていたからだ。それは、銀色のリングに、輝くものの先をくくられている。

「これ、ストラップ付いてる」

 スズは猫が魚をくわえる銀色のストラップを凝視する。

 窓際の席に座っていたユキは、彼女の机上のカバンに気づくと、スズに答える。

「スズ。これ、チャームだと思う」

 彼女は、右手の細い人差し指をチャームに指さす。

「チャー……? ああ、これ?」

 スズは猫のかたどったストラップを見る。これはストラップではなく、チャームというらしい。

 しかし、スズには、大して違いがわからなかった。

「へえ……きれいだなあ、これ」

「ねえ、スズさん。あのときのこと聞きたいな。ほら、この間のプールのときのこと」

「ああ……そういえば、プールあったね。ていうか、よく覚えてるね、朝井(あさい)さん」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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