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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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美少年&美少女

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 アオは、誰かに腕をつかまれた感覚で今に引き戻された。

「やあ、カエデさん。どうしたの?」

「行くわよ」

 カエデはアオの腕をつかんで、正門に向かっていたが、くるりと振り返ると、スズとユキに手を振った。

「スズ。ユキ。じゃあ、またあとでね」

「うん。ありがとう、カエデ。アオくん」

 アオは手を振り返す。

「ばいばい。スズ、ユキさん」





 昼休みに、スズは、クラスメイトから質問攻めにされて全員に詰め寄られた。

 スズは、大勢の視線から逃げるようにするが、彼女は小首をかしげる。

「ええっと……何が聞きたいの?」

 すると、男子生徒の一人が、身を乗り出す。

「さっきの美少年(アンド)美少女のことだよ! 忘れたのか?」

 スズは思い出すように、右斜め上に視線を向ける。

「忘れてないよ。アオくんと久遠さんだよね」

「かっこよかったよな? あの着地!」

 スズが、うん、と|首肯すると、今度は女子生徒が問いかけた。

「ねえ、(たちばな)さんって、さっきの彼とどんな仲なの?」

「友だちだよ」

「ええ……じゃあ、あれなんだったの?」

 スズは、曲げた左手の人差し指をあごに当てる。

「んー……私にもよくわからなかったけど、多分、久遠(くおん)さんにフェンスを跨いでもらうためのあおり文句、とかかな?」

 しかし、彼女は、机上に置かれた革製のカバンを見つめる。

「でも、これ忘れてったよね? ……久遠さん」

 カエデは先程着地する前に、スズたちがいたグラウンド側に革製の通学カバンを置いたのだ。それをアオを連行する際に、彼女が置き忘れたのだ。



 アオを彼女が連行した、というのは、文字通り、彼女がアオの腕をつかみ、そのまま彼が離れないように、正門まで引きずられるような形になっていたからだ。そして、彼は、カエデにデリカシーのない発言をしたので、彼女にすごく怖い目で睨まれながら、半ば引きずられるように正門に連れていかれていた。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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