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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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「変わり者」の司令 〝家内ショウ〟

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 その日も、壮年の家内(いえうち)ショウは、暑い季節が続いているというのに、スーツ姿でたばこをくゆらせていた。

 だが、それを無意識にアスファルトの歩道に落とすと、フェンスを一跨ぎで乗り越えた。

 なにやら、彼は、老人と話しているようだったが、やがてアオの所に帰ってきた。

「あのおじいさん、カバン盗まれそうになったんだってよ」

 アオは、司令が無意識に落としたたばこを、小型の携帯灰皿に入れる。

 それから、彼は、あまり関心がないように言った。

「ふうん。人助けですか。それでちょっと遅くなったんだね」

アオは、買った棒アイスを口に含むが、それは無残にもショウに奪われる。

「もーらい」

「あっ! それ、僕の――」

 また、彼が言い終わる前に、ショウは棒アイスを奪うという、少年のような行動をした。

「あーあ……僕のアイス」

 そして、彼は、肩を落とすアオの頭に上着をかけた。

「何するのさ?」

「暑いだろ。それかぶってろ」

 アオは、ちぇっ、と言うしかなかった。確かに太陽がじりじりと、アオの肌を焼いている。だが、その少年の両手には、カップのアイスがプラスチックスプーンとともに置かれる。

「何? これ」

「熱中症になりたくないなら、これ食べろよ」

 アオは、はいはい、と答え、ひと口食べる。

 彼は先ほど遅くなったのは、コンビニエンスストアでこれを買っていたのだろうと思うと、それも含めて、アオはなんだか、ショウが腹立たしかった。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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