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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
138/260

水筒

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 ユキは、スズから返された水筒に口を付ける。

「ちょっ⁉ 待って待って、真白さん!」

 全員が〝どうした? 〟と、一斉にスズを見る。体育担当の教師までもが、彼女を心配する。

 スズは、人差し指を水筒に向ける。

「それ……」

「これ?」

 ユキはその水筒を、片手で少し持ち上げると、彼女は、再びスズに近づく。

「スズ、喉乾いたの? これ飲む?」

 彼女は少し躊躇(ちゅうちょ)して、胸の前で両手を振る。

「いや——」

 だが、うだるような暑さは、彼女の()き出しの健康的な肌を焼いたので、飲むことを承諾した。

「ありがとう。真白さん」

 スズはみんなの視線を避けるように体ごと移動して、水筒に口を付けた。

 彼女はその授業中、なんだか気まずかった。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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