↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
137/260

シノとシュン

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 彼女が視線に気がつき、首を(めぐ)らす。

 男子はおろか、同じクラスメイトの女子までもが、自分を羨望(せんぼう)(ひとみ)で見ていた。

「みんな、どうしたの?」

 全員は校庭に各々座っていた。だが、そのときは皆そろって、首を横にして振った。

「え。わからないんだけど? ねえ、どうして?」

 スズは、丸眼鏡(まるめがね)をかけている村石(むらいし)シノに、腕を組んで詰め寄る。

 シノは、その眼鏡をカチャリッと押し上げる。

「スズさん。本当に体育、苦手なの?」

「それだったら、シノのほうが足速いじゃん」

「え、そう?」

 不思議そうに答えるシノに、スズは、そうだよ、と首肯(しゅこう)する。

 スズの百メートル走の記録は、十二秒三十だ。ちなみに、シノの記録は、十秒八〇だ。

 スズは不満げに言う。

「シノのほうが足速いのに」

すると、少し低い声が、スズに飛んでくる。

「そうか? みんな興味津々なんだよ」

「あ……シュン。そっちどうだった?」

 スズが話せる男子生徒の一人である、波澄(はすみ)シュンだ。

 ちなみに彼は、ノヴァ・ドイツ支部に所属している、エミリアのいとこである。そして、エミリアは、カエデのことが友人として、とても大好きらしい。

 クラスメイトたちは、スズの存在を測りかねていた。

 だが、実はスズが、同じく転校生のユキと仲がいい。そして、転校初日にヘリコプターで現れた謎の青年、山田(やまだ)ハルトの派手な登場に、皆、心を奪われていたのだ。

 しかも、スズは親切なので、彼女と密かに、仲よくなりたいというクラスメイトが多いのだ。

 スズは、そのまま視線をユキに向ける。そして彼女は、口角を上げた。

「真白さん、何秒だった?」

「わからない。でも、記録係のヒトが、十一秒とか言ってた気がする」

「うわー……。真白さん、足速いねー……」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。