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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第三戦 他人との距離
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苦手な授業

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 今日のスズは、少し憂鬱(ゆううつ)な気持ちだった。なぜなら、彼女が苦手な体育の授業があるからだ。

 今日は晴天で、うだるような暑さだ。その炎天下で、彼女が、ジャージの上着を脱いで校庭を走っても、ただ全身が疲れるだけだった。

 すでに、水色のTシャツ姿になっているスズは、時々、同じクラスの男子の視線に気づく。だが、彼女は、なぜ、そんなに見てくるのか? と、脳内では疑問しかなかった。

 そして、数メートル先になびく白髪(はくはつ)を見る。彼女の頬の辺りの短い髪毛先が、くるんとなって、彼女の柔らかそうな頬にかかっている。

 スズは、きっと彼らも、彼女に夢中になっているのだろう、と、思い込んだ。

 ユキの白い陶器(とうき)のような肌が、あらわになっているからだ。特に太ももの辺りはまぶしそうに見える。

 スズが別な場所に目を向ければ、輝いている銀色の建物が見えた。

 ノヴァ日本支部だ。

 それは、地上から地下三十階までを貫くように造設されている。

 珍しく髪をまとめたユキが走り終わったあとで、スズもゴールする。

 ユキは、両手を膝につけたスズに水筒を差し出す。

「あ、ありがとう……」

 スズは水筒の吸口に(くちびる)を付けてそれをあおると、手の甲で口を拭った。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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