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リリムと贖罪  作者: 霧野うみ
第二戦 ステップを合わせて
132/261

アオの問い

 この物語は、十三歳(中学生)の橘スズちゃんが、パイロットとしての存在を自問しながら、平和維持組織のノヴァ日本支部の室長の青年や、パイロットたちと協力する話です。



 アオは赤色が混じった黒い瞳で、サクラを見る。

「……でも、カエデさんって、今どうして生きてるの? あれほどの〝事故〟だったのなら、死んでいてもおかしくなかったよね?」

 アオは考え込むように、左手の曲げた人差し指をあごに当てる。

「CPOは液体ガス——酸素が入っていても循環器が壊れれば、それでおしまい」

「はい。CPOは、〝パイロット接続専用液体酸素〟の略称名です。カエデさんは三年間、コックピットに閉じ込められました」

「教えてよ? 林主任。三年間、閉じ込められたコックピットの中で生きた人間はいるの?」

「いえ、いません。しかし、当時の彼女は、昏睡(こんすい)状態にあった、と考えられています」

「そっか。ありがとう」

「いえ……」

 サクラは首を振ると、アオは缶コーヒーを飲み干す。

「じゃあ、今度は、イレギュラーの被験者について、誰かに聞こうかな? 教えてくれるの誰かな?」

「あの……」

 アオは、ん? とサクラに顔を向ける。その彼女の顔は、少し青ざめていた。

「あまり室長に、負担をかけさせないであげてください。私が答えられる範囲なら、きちんと答えます」

 彼はため息をつくと、微糖の缶コーヒーをごみ箱に捨てた。

「今日はこれで引き上げるよ」

 アオは、つらそうな声で言った。

「ごめん、主任」

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


 スズちゃんは、みんなのことを知りたいと思いながら、ほかのみんなは、他人にあまり話せない秘密を持っていたりするので、新米のスズちゃんに話すべきなのどうなのか、そこの調整が難しいんです……。

 一方、スズちゃんも、他人には話せない過去がありますので、本人も悩んでおります。

 一見、優秀な登場人物でも、実はとても悩んでいたり……など、人間関係の難しさを表せられたらいいな、と思っております。

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